日本旅館協会、会員資格の改定検討 最低客室数を撤廃、簡易宿所加盟も議論


日本旅館協会の理事会

 日本旅館協会(北原茂樹会長)は、会員資格基準の改定を検討している。改正旅館業法で旅館営業、ホテル営業の種別が統合され、最低客室数の規定が撤廃されたことなどを受けて会員資格を見直す。理事会が8日、東京都内で開かれ、政策委員会から検討状況が報告された。委員会は、最低客室数の基準を撤廃するほか、簡易宿所についても外国人旅行者の受け入れや観光立国の推進に寄与する施設は一定の条件を満たす場合に限って加盟を認める方向を提言した。

 会員資格基準の見直しの背景には、6月に施行された改正旅館業法で、「旅館営業」と「ホテル営業」が統合され、「旅館・ホテル営業」となり、旅館5室、ホテル10室だった最低客室数の基準が撤廃されたことがある。併せて設備構造の基準も緩和されている。

 政策委員会(相原昌一郎委員長=静岡県・新井旅館)は、現行の会員資格基準で旅館営業5室以上、ホテル営業10室以上などの客室数の基準を撤廃することを提言。設備の基準なども、改正旅館業法に準じて現状にそぐわない規定や文言を見直している。

 協会の定款では、正会員は「会員資格基準に適合する旅館・ホテル業を営む者で、支部連合会の長の推薦を受け、入会申込書を会長に提出し、承認を得た者」と定めている。これまで協会の目的や事業に賛同しつつも旅館業法の最低客室数の制約で旅館営業を取得できず、協会に加盟できなかった簡易宿所もあったことから、会員数の減少などを考慮し、簡易宿所の加盟を許容するかどうかも検討した。

 政策委員会は、「すべての簡易宿所の加盟を歓迎するわけではない」として一定の資格基準を整備した上で、協会の成り立ちの経緯や国際観光ホテル整備法の趣旨などを踏まえ、外国人を含む国内外の旅客に快適な旅行環境を提供し、観光立国の推進に寄与する姿勢が明確な施設については、入会を受け入れる方向を提言した。

 会員資格基準規定の改定には理事会の承認が必要で、来年3月ごろに開催される理事会で改めて審議する予定。さらに、簡易宿所の入会を可能にするには、協会の定款変更が必要となるため、その場合には2019年度の通常総会で審議する。


日本旅館協会の理事会
  

 
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