日本旅行は2月27日、2018年度決算を発表した。子会社を含めた連結は営業収益が前年比1.3%減の519億5200万円にとどまり、経常で17億4100万円、最終で6億3600万円の黒字も、前年比2.8%、45.7%それぞれ減少した。営業損益は営業費用の削減で同5.2%増、9億700万円の黒字となった。
相次ぐ自然災害の影響で企画商品を中心に国内旅行の販売が減少した。単体の部門別営業収益を見ると、国内旅行が同1.2%減の285億9100万円。海外旅行と国際旅行は販売高ベースで増加したが、営業収益ベースで減少。海外旅行は同1.9%減の93億8500万円、国際旅行は同6.0%減の51億3600万円だった。
記者会見した同社の堀坂明弘社長は昨年度の業績と20年度までの4カ年の中期経営計画「VALUE UP 2020」の進捗(しんちょく)状況に触れ、「災害は毎年織り込まねばならない。より企画性の高い商品で収益の確保に結び付ける」と述べる一方、同社が中核分野として販売を強化するインバウンド、教育旅行、MICE、BTM、インターネット販売の5分野について「手応えを感じている。19年度の全社販売に占めるシェアの50%超えはほぼ確実」と、18年度実績の49%を超える見通しを述べた。中計では20年度に54%に伸ばす計画を立てている。
19年度は「グローバル戦略」と「ダイバーシティの推進」を取り組みの柱とする。今まで日本人の海外旅行の受け業務が中心だった同社の海外拠点で、訪日旅行の取り扱いを本格的に行う。まず、中国と東南アジアの海外拠点で日系など現地企業からMICEなどの受注を目指す。
ダイバーシティの推進では、勤務体系の柔軟化など女性が働きやすい環境づくりを進め、25年の女性管理職比率を18年の12%から20%に増やす。3月29日付で緒方葉子・国際旅行事業本部海外営業部長が執行役員に就任。同社初の女性役員となる。
企業経営活性化の一環で、有識者による「アドバイザリーボード」を新設。波木恵美(鬼怒川グランドホテル社長)、江明清(日本旅行非常勤嘱託、KMS日台交流協会代表)、瀧本勝一(日本旅行特別顧問、元常務)の3氏が就任する。