日本旅行と京浜急行電鉄(京急電鉄)は5月16日、京急観光の店舗事業および外販事業の日本旅行への譲渡に基づいた包括的事業連携の方向性について発表した。両社グループは包括的事業連携により、京急沿線の交流人口増加および活性化、価値向上、両社グループの価値向上を目指す。
日本旅行の堀坂明弘社長は「羽田空港を活用したインバウンドや品川駅を活用した西日本エリアの送客を拡大する。京急沿線活用と西日本への相互交流で地域を活性化する。特に三浦半島は東京、横浜から近くポテンシャルがあるエリアとして期待している」と説明。京急観光の譲渡については「神奈川県は比較的弱いエリアだった。新たな6店舗でJR券が販売できるなど売上高は15%上昇した。県内の国内外の旅行需要も拡大したい」と述べた。
京急電鉄の原田一之社長は「品川、羽田を玄関口として沿線と三浦半島の活性化に取り組んでいる。沿線人口が減る中、交流人口の拡大は必須。日本旅行の海外ネットワークを使い、今秋のセーリングのワールドカップ、五輪・パラリンピックなど追い風を生かし世界中から人を集めたい」と意気込んだ。
具体的な取り組みは(1)日本旅行の海外ネットワークを活用した販売促進(2)海外プロモーションへの共同出展(3)京急沿線と西日本エリアの相互送客(4)京急電鉄、日本旅行が連携した地域創生(5)スポーツイベントやMICEの誘致、誘客(6)訪日外国人向けサービス、コンテンツの充実―の六つ。
京急沿線と西日本エリアへの相互送客では、日本旅行が京急線沿線や三浦半島エリアの宿泊施設や農業、漁業、マリンスポーツ、サイクリング、乗馬など観光素材を生かした国内企画商品のツアー造成により誘客に努め、京急電鉄は沿線で西日本エリアを発信することで送客につなげる。
このほか、6月22~24日で日本旅行が台湾・台北駅で開催する海外プロモーション「日本の観光・物産博2018」での共同出展や日本旅行が取引する50カ国700社におよぶ全世界のエージェントへの観光資源の販売、プロモーション強化や国内外の企業、団体などへのスポーツイベントの実施の提案、横浜などでのMICEの誘客推進、京急電鉄が羽田空港、品川駅で展開する「京急ツーリストインフォメーションセンター(TIC)」への日本旅行が持つインバウンド向けサービス・コンテンツの提供などを行う。
連携事業を発表する堀坂社長(右)と原田社長