日本旅行、ウェブ・非旅行を強化 


小谷野新社長(右)と、退任する堀坂氏(18日の会見)

中計見直し発表

 日本旅行は3月18日、2020年から6カ年の中期経営計画「TRANSFORM(トランスフォーム)2025」の見直しを発表した。需要の拡大が見込まれるウェブ販売や非旅行業分野の取り組みを強化、店舗を半数以下に縮小するなど強化分野と縮小分野を明確化。マーケットがコロナ禍以前に戻らないことを前提に、変化に対応した抜本的構造改革に取り組む。

 21~22年度を構造改革期、23~25年度を発展成長期と位置付けた。構造改革期では、事業構造の改革、運営体制の見直しを推し進め、ウィズコロナの中でも生き残りと早期の黒字化を実現。発展成長期では構造改革の成果による持続的成長、利益の拡大を図るとした。

 個人旅行営業では、ウェブ販売を強化するとともに、同社が強みとするJRセットプランの販売を、業界で圧倒的地位にすることを目指す。国内企画商品「赤い風船」のウェブ販売比率は2019年度実績の38%から25年度に70%まで押し上げる。

 店舗はグループ全体で現在(20年度末)の194店から22年度末に約90店と半数以下に縮小する。リアルとウェブの垣根をなくした販売のオムニチャネル化、OMO(Online Merges with Offline)を推進する。地方の拠点は送客中心から誘客中心に仕事の中身を切り替える。

 法人営業は企業関連の需要が当面厳しいことから、コンサル、イベント、物流など異業種とのアライアンスをさらに推進。非旅行業を含めたソリューションビジネスを強化する。ソリューション分野の収益シェアを19年度の47%から25年度に70%へ拡大する。

 グループ全体で運営体制をスリム化。22年度までに100億円規模の経費削減を行う。店舗の縮小ほか、要員は新卒採用の抑制やグループ外出向で22年度に19年度の3割減とする。

新社長に小野谷副社長

 日本旅行は3月18日、小谷野悦光副社長(62)の社長就任を発表した。26日の定時株主総会、取締役会後、正式に就任。会見した小谷野氏は、「抜本的構造改革を、スピード感をもって行う」と所信を述べた。

 小谷野氏は1982年国鉄入社。国鉄の分割民営化で87年にJR西日本入社ののち、01年10月に日本旅行入社。営業企画本部国内担当部長、取締役兼執行役員経営管理部長などを経て20年3月副社長。営業企画本部長、デジタルイノベーション推進本部長、事業共創推進本部長などを兼務する。

 小谷野氏は同日発表した中期経営計画「TRANSFORM(トランスフォーム)2025」の見直しに触れ、「マーケットがコロナ禍以前に戻らないことを前提に、変化に対応した抜本的構造改革をスピード感をもって進め、生き残りと持続的成長に取り組む」と述べた。

 退任する堀坂明弘社長(65)は特別顧問に就任。堀坂氏は「抜本的な構造改革は新たな体制のもとで行う必要がある。(小谷野氏は)経営企画、営業面を長く取りまとめ、コロナへの対応も私を強力に支えてもらった。後事を任せるにはこれ以上の人はいない」と交代の理由を述べた。

 堀坂氏は16年6月から約5年間社長を務め、17年から4カ年の中期経営計画「VALUE UP(バリューアップ)2020」を推進。インバウンドの強化など同社グループの収益基盤の強化に尽力した。

 
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