日本商工会議所(日商、三村明夫会頭)はこのほど、政府が毎年策定している「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」の改定に対する意見を決議した。訪日観光(インバウンド)と国内観光の振興、観光基盤の整備などに関して、早急な措置を期待する施策を挙げた。
意見書は日商観光委員会の須田寛共同委員長が4月21日に石井啓一国土交通相、観光庁の田村明比古長官に手渡した。
外国人の訪日観光では、出入国手続きの改善や宿泊施設の拡充などの必要性を指摘。宿泊施設では旅館の活用に向けて、外国人のニーズに合った施設の改修、公衆無線LANの設置、カード決済環境の整備などへの支援策を求めた。
日本人の国内観光では、DMO(観光地域マネジメント・マーケティング組織)構築への支援策の強化、文化財などの観光資源の活用などを要望した。
観光基盤では、観光産業のイノベーションなどを重視。宿泊業や飲食業の労働生産性の低さが指摘されているとして、ICT(情報技術)などを活用した生産性向上への支援策の拡充を要請した。
意見書のうち宿泊業の生産性向上について、須田共同委員長は「日商としても個別の経営指導を行っていくが、国からのさまざまな支援策が必要だ。団体やグループの取り組みに対する支援の仕組みづくりを要望していく」と述べた。