日中の「泉州」学生、観光動画を協作


 一般社団法人のKIX泉州ツーリズムビューロー(KSTB、大阪府岸和田市)は10月14日、岸和田市の南海浪切ホールで、日本と中国の大学生による観光映像交流会を開催した。同じ「泉州」の名前を持つ「二つの泉州」の魅力を、両国の大学生6チームがそれぞれの視点やテーマで映像化して紹介、交流を深めた。

 中国の泉州市は中国南部に位置。「泉州‥宋・元時代の中国における世界のエンポリウム」が世界文化遺産に登録され、観光地として知られる。日本の泉州地域も関西国際空港のおひざ元であることなどから近年観光に力を入れており、昨年5月から、観光振興や国際交流の分野での共同の取り組みを模索。双方に観光関係や映像関係の大学や学部があることから、観光動画による交流の実施が決まった。

 日本側は、南大阪エリアの大学に和歌山大を加えた「南大阪地域大学コンソーシアム」と連携。和歌山大観光学部の木川剛志教授に協力を仰ぎ、観光動画制作に向けた相互単位互換講座を開講したり共同ワークショップを開いたりするなどして、交流会に参加する映像作品を和歌山大から2チーム、羽衣国際大から1チーム選んだ。

 観光動画は、地元の歴史・文化・食べ物・風景等を紹介するもので、1作品3分。このうち日本側の作品は、「職人から学ぶ~泉州地域の伝統産業~」=写真、「SENSHU―SOUL」「僕たちの泉州物語―海のシルクロード」の三つ。

 伝統産業についての動画では、学生が自ら体験する様子を紹介。羽衣国際大の日本人学生と中国人学生による動画では、中国からに伝わった絹やお茶が日本文化の中でどう根付いているのかを紹介した。

 一方、中国の華僑大、泉州師範学院、黎明職業大の動画はいずれもドラマ仕立て。おじいさんの思い出の場所を巡るストーリーや地元伝統食の保護と継承をテーマにしたものなどが出品された。「日中どちらも歴史をクローズアップしつつ、新しい魅力を紹介していた」と交流会を担当したKSTBの神原清美氏。

 交流会にはそれぞれ30~40人の学生が出席。各チームが自分たちの映像の紹介と放映を行ったほか、意見交換をして交流。「このシーンはどういった撮り方をしたのか」「どういうコンセプトで制作したのか」などの質問が交わされた。

 KSTBでは次年度以降の動画交流会の開催も検討中。将来的には学生間の相互訪問によるリアルでの交流の実施や、中国の学生を招いての泉州地域の動画撮影などの実現などにつなげたい考えだ。 

 
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