旅館2団体が合併へ、来年4月に新組織


合併を承認した国観連の通常総会

合併を承認した国観連の通常総会

 国際観光旅館連盟(佐藤義正会長、1112会員)と日本観光旅館連盟(近兼孝休会長、2972会員)が合併し、来年4月に新団体が発足する見通しとなった。国観連は14日に開いた通常総会で合併による新団体設立案を承認した。日観連は24日に開く通常総会で承認する見込み。両団体は総会に向けて合併への議論を重ね、全会員に合併への賛否を問う表決書を発送していた。旅館業界に課題が山積し、会員の減少も続く中、懸案だった旅館団体の統合が実現する。

 両団体の合併問題は20年来の懸案で、基本合意に達しながらも破談になるなど紆余曲折の歴史がある。今年度総会での議決に向けては、佐藤、近兼両会長が1年余りをかけて話し合い、それぞれの役員会に諮るなど、慎重に準備が進められていた。

 合併の賛否を問う表決書は総会の開催通知に合わせて全会員に発送。新団体の概要を示す文書も同封し回答を求めていた。国観連は定款が定める正会員3分の2以上の賛成票を集め、総会で承認した。日観連は総会前ではあるが、賛成票は定款が定める正会員4分の3以上に達している。

 日観連の総会で承認されれば、具体的な準備作業に入る。公益法人改革に伴う対応で両団体はいったんそれぞれに「一般社団法人」へと移行。10月に合併契約を締結した上で、来年3月末に各団体を消滅させ、4月1日に新たな一般社団法人を設立する。新団体の名称は未定。会員数は両方の団体に加盟する会員を差し引くと、約3600会員となる見込み。

 会員の関心が集まるのが会費制度と支部体制。会費は新団体発足から2年間は旧加盟団体の額を適用し、両団体に加盟する会員は国観連の額とする。3年目から統一の会費制度を導入し、客室数に応じて年額1万5千円から12万5千円までの範囲(ホテル営業は1室を0.5室でカウント)で設定する。一方、支部組織は運輸局ベースの9支部に統合。支部の会費や事務局などは現支部間で調整する。

 国観連の総会では、任期満了に伴い再任された佐藤会長が「時代に即した組織としたい。日観連と1つになり、日本の宿泊文化を守っていく」と述べ、新団体による事業推進の重要性を指摘したほか、東日本大震災からの復興にも触れ、「第一次産業への手厚い支援策に比べ、旅館業界には何もない。声を届けるには数の力が必要だ」として合併の意義を訴えた。

 総会後の懇親会では、日観連の近兼会長があいさつに立ち、「今回こそ合併を成功させなければならない。両団体には目的や事業に幾分の差はあるが、話し合えば合併は必ず実現できる」と述べ、総会を控えて合併への意欲を強調した。

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