厚生労働省は10月30日までに、2011年度の全国の旅館・ホテルの営業施設数と客室数をまとめた。それによると、今年3月末現在の旅館軒数は前年度比710軒減の4万6196軒となった。10年度の数値は「東日本大震災の影響で、一部地域の数値が含まれていない」(統計情報部)ことから、09年度と比較すると2770軒減となり、いずれにしても減少幅は大きい。ホテルは前年度比153軒増の9863軒で、09年度比では175軒増となっている。
10年度については、宮城県のうち仙台市以外の市町村、福島県の相双保健福祉事務所管内の市町村が含まれていない。それを踏まえ、旅館・ホテル、簡易宿所、下宿を含めた「旅館業」の11年度営業施設数を見ると、前年度比317軒増の8万1404軒となっており、旅館のみが減少している。
旅館4万6196軒の客室数は同2868室減の76万1448室、ホテル9863軒の客室数は同1万1107室増の81万4355室。ホテルの客室数は09年度に初めて旅館を上回ったが、その差はわずか6177室だった。しかし、11年度では5万2907室まで広がっている。
旅館軒数は軒並み減少。宮城(同511軒増の609軒)と福島(同100軒増の1552軒)両県は増えているが、09年度の軒数はそれぞれ650軒、1646軒であり、減少していることに変わりはない。減少幅が最も大きいのは新潟県で、前年度から95軒も減った。次いで北海道(93軒減)、三重県(87軒減)、静岡県(74軒減)の順。
軒数そのものが多いのは静岡県(3155軒)で、ただ1県、3千軒台を維持している。これに北海道(2622軒)、長野県(2592軒)、新潟県(2190軒)が続く。最も少ないのは佐賀県で、331軒。
客室数では北海道が4万9519室と最も多く、以下、静岡県(4万6628室)、東京都(4万4778室)、長野県(4万987室)との順。
一方、ホテルで軒数が減ったのは14都府県。目立つのは大阪府(同9軒減の356軒)ぐらいで、その他は小幅にとどまっている。宮城県は同106軒増の251軒、福島県は同35軒増の259軒だが、09年度はそれぞれ262軒、256軒。
最も軒数が多いのは東京都(684軒)で、以下、北海道(679軒)、長野県(519軒)、兵庫県(411軒)と続く。最も少ないのは徳島県の34軒。