厚生労働省は27日までに、08年度の全国の旅館・ホテルの営業施設数と客室数をまとめた。それによると、今年3月末現在の旅館数は5万846軒、客室数は80万7697室となり、前年度に比べそれぞれ1449軒、1万4871室減少した。対して、ホテルは9603軒、78万505室で、161軒、1万4208室の増加。施設数では5倍以上の差がある旅館とホテルだが、客室数ではそれほど差がなくなりつつある。
旅館・ホテル、簡易宿所、下宿を含めた「旅館業」の営業施設数は全国で8万4411軒。前年度比1155軒減だが、そのほとんどは旅館によるもの。
旅館数は1980年の8万3226軒をピークに減少。03年度に6万軒の大台を割った後も減少傾向に歯止めはかからない。ここ数年、1千軒台のペースで減少しており、このまま推移すれば09年度には5万軒を割る可能性もある。
旅館が増えた都道府県は、大分(前年度比3軒増の1228軒)と沖縄(13軒増の635軒)の2県のみ。減少幅が大きかったのは栃木県で、107軒減った。
旅館数がもっとも多いのは静岡県で、3661軒とただ1県、3千軒台をキープしている。次いで北海道の2844軒、長野県の2832軒、新潟県の2453軒の順。客室数では北海道の5万3598室がトップとなり、これに静岡県の5万2629室が続く。軒数が少ないのは佐賀県で、362軒となっている。
ホテルで軒数が減ったのは長野(5軒減の535軒)、静岡(3軒減の367軒)、東京(3軒減の691軒)など5都県のみ。福岡や神奈川など4府県は2ケタの増加となった。
もっとも多いのは東京都で、以下、北海道の660軒、長野県の535軒、兵庫県の402軒と続く。もっとも少ないのは徳島県の35軒となっている。