旅館数、初の4万軒割れ~厚生労働省調べ


 厚生労働省は3日までに、2016年度の旅館・ホテルの営業施設数と客室数をまとめた。それによると、今年3月末現在の旅館軒数は3万9489軒となり、ついに4万軒の大台を割った。前年度比1172軒減で、減少傾向に依然として歯止めがかからない。ホテルは同134軒増の1万101軒で、初めて1万軒を超えた。また、簡易宿所が2千軒を超える伸びをみせている。

 旅館・ホテル、簡易宿所、下宿を含めた「旅館業」の16年度の営業施設数は7万9842軒で、前年度比1323軒の増加。旅館軒数の減少が際立つ。対して、簡易宿所は同2390軒増の2万9559軒と大きく増えた。簡易宿所の許可を取る形で、一般住宅などに観光客らを有料で泊める民泊解禁の影響があるとみられる。旅館との差は約1万軒まで縮まっている。

 旅館3万9489軒の総客室数は69万1962室で、同9694室の減少。こちらも70万室の大台を割った。初めて1万軒を超えたホテルの総客室数は86万9810室で、同2万3478室増。ホテルの客室数は09年度に初めて旅館を上回ったが、その差はわずか6177室だった。しかし、16年度では17万7848室まで広がっている。

 都道府県別にみると、旅館軒数は軒並み減っており、増えたのは東京(37軒増の1246軒)、和歌山(25軒増の624軒)、沖縄(17軒増の563軒)の3都県のみ。減少幅が最も大きいのは長野県で、1年間で123軒減った。三重県(90軒減)、静岡県(72軒減)、北海道(67軒減)なども目立つ。

 軒数そのものが多いのは静岡県で、なお2697軒が営業している。これに長野県(2240軒)、北海道(2218軒)、新潟県(1883軒)が続く。2千軒台を維持している都道府県は静岡、長野、北海道の3道県にすぎない。最も少ないのは香川県の277軒となっている。

 客室数では、東京都が軒数が増えたこともあって、5万2613室と最も多い。次いで、北海道(4万3098室)、静岡県(4万1385室)、長野県(3万6854室)の順。ただ、千葉県や福島県、愛知県などは軒数が減りながらも客室数は増えている。

 ホテルで軒数が減ったのは13道県。最も軒数が多いのは東京都で693軒だった。次いで、北海道(673軒)、長野県(510軒)、兵庫県(428軒)と続く。最も少ないのは徳島県で44軒となっている。

 一方、簡易宿所が最も多いのは長野県で3514軒に上る。沖縄県(2898軒)や京都府(1945軒)、北海道(1847軒)なども目立つ。ペンションや山小屋、ユースホステルなどが該当するため、比較的リゾート地に多い。

 
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