国際観光旅館連盟、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部はこのほど、宿泊予約サイトのオンラインカード決済に新方式を導入する楽天トラベルに対し、導入の延期と改善策の協議を求める要望書をそれぞれ提出した。新たに導入する事後カード決済がキャンセル料を引き落とさない仕組みであることを問題視。キャンセル料を免れるかのような印象を消費者に与え、不払いの風潮を助長すると懸念する。
楽天トラベルが今月4日から運用する新方式の1つ、事後カード決済は、宿泊客のチェックアウト後に決済を行う。ノーショー(連絡なしの不泊)の違約金はカードで引き落とすが、キャンセル料は引き落とさず、請求は宿泊施設の個別の対応と規定している。宿泊前のカード決済に抵抗感のある消費者の予約を取り込む狙いがある。
事後カード決済のキャンセル料に関する規定に関して国観連は、要望書の中で、徴収の推進という流れに逆行すると批判し、「キャンセル料徴収を免れることを消費者に売り込み、キャンセル料のがれを助長するばかりか、それにより自社(楽天トラベル)の顧客囲い込みを促進するなど、商道徳上、看過できない行為」と指摘している。