
観光復活に不可欠
夏の観光シーズンは、台風などの影響を受けた地域はあるものの、各地でにぎわいを見せ、インバウンドも戻ってきた。コロナ禍を乗り越え、旅行需要は回復しつつある。ところが、観光産業の人手不足は深刻さを増し、一部の観光地ではオーバーツーリズムへの懸念が高まるなど、ポストコロナの観光には課題が山積している。観光産業の持続可能な復活に向けて、旅行需要の「平準化」「分散化」の重要性が今一度問われている。 【向野悟】
繁閑の差
夏は年間最大の需要期だが、観光需要は季節の繁閑の差が大きい。観光庁の宿泊旅行統計調査でコロナ前の2019年の状況を見ると、観光目的の宿泊客が50%以上の宿泊施設の客室稼働率は、ピークの8月に63.7%に達するが、年始を除いてオフシーズンとなる1月は46.8%にとどまり、その差は16.9ポイントに及んでいる。
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