「ありがとう」「日本で再会を」。日本旅行業協会(JATA)と日本政府観光局(JNTO)は6日、東日本大震災を受け、「日本からの“ありがとう”キャンペーン」をスタートさせた。海外旅行に出発する日本人に、各国からの復興支援に対する感謝の言葉が入った絵はがきを配布し、旅先で外国人に手渡してもらう。合わせて訪日旅行を呼びかけるメッセージも記してもらい、インバウンドの回復にもつなげる。
絵はがきは1部3枚セットで20万部を作成。支援への感謝の言葉として8言語で「ありがとう」の言葉を入れた。日本での再会を願う文章も英文で記されている。
絵はがきには日本の代表的な観光地の写真を使った。写真の組み合わせは2種類あり、富士山を共通の1枚として、松島(宮城県)と仙台七夕(同)のセットと、天橋立(京都府)と清水寺(同)のセットがある。
旅行会社、国際空港、航空会社、JNTO海外事務所などを通じて旅行者に配布。例えば、旅行会社はパックツアーの参加者に配布し、旅先で交流した外国人に手渡す場面をつくる。経済団体などにも配布することを検討し、海外出張の際に商談相手に渡してもらえるよう呼びかける。
JATAの金井耿会長は「海外旅行に出かけていただくとともに、外国人に訪日旅行を呼びかけてもらう。旅行者1人ひとりに親善大使をお願いしたい」と述べた。JNTOの間宮忠敏理事長も「日本人1人ひとりが感謝と歓迎の気持ちを持つということが重要。双方向で観光需要を喚起する試みでもあり、日本観光を早期に回復させたい」と述べた。
絵はがきは6日から約2週間をかけて集中配布する。キャンペーンの実施には、成田、関西、中部、羽田の空港ビル会社が協賛している。
宮城・松島の写真を使ったカード