定額給付金の支給が5日から始まったが、給付金により高まるとみられる旅行需要“給付金特需”を取り込もうと、旅行会社は各社工夫を凝らした旅行商品を発表し始めた。1万2千円ちょうどで旅行できるプランや3世代旅行向け商品など、切り口はさまざま。各社とも他社商品に埋もれない商品内容やアピールの仕方に腐心しているようだ。
他社に先駆け3月4日に、給付金の額面を意識した1万2千円と2万円の旅行商品を発表したのはJALツアーズ。1万2千円の商品は、東京〜山形の飛行機往復利用に、すき焼き食べ放題の夕食など2食がついた蔵王温泉での宿泊をセットにしたプラン。2万円の商品は往復の飛行機と朝食付き宿泊に、クーポンやテーマパークへの入園券などを組み合わせた6コースをラインアップした。10日にウェブ限定で発売したが、初日は目標の5千人の1割にあたる500件を超える予約が入り、「好調な出だし」(同社広報)という。
JTBも5日から順次定額給付金に絡めた宿泊商品を発表している。例えば中部地区で3月19日に発売する商品は、1万2千円で1泊3食が付く飛騨、北陸方面の宿泊プラン。3月23日〜5月31日の平日限定で設定した。首都圏発着では、3月27日に、1泊2食1万2千円の宿泊商品を発売する。4月1日〜7月17日の平日出発限定の、北関東、伊豆方面などに泊まれるプラン。1千円の館内利用券もしくはガソリン券を付けお得感を出した点が特徴だ。この他同社では、「2人での旅行」「家族3人での旅行」など2〜4人家族やグループへのお勧め宿泊プランが検索できる特設ページを設置し、定額給付金を使った旅行を後押しする。
日本旅行は、4月1日〜7月17日の日〜金曜日宿泊限定で、1万2千円で宿泊できるプランを発売する。石和や伊香保など5地区の施設に泊まれるもの。各宿泊施設がそれぞれ4つ以上設定する、「部屋にこだわる1泊夕・朝食付きプラン1万2千円」「2人で1万2千円、朝食付きプラン」などの定額給付金に因んだ宿泊プランが利用できる。3月16日を目途にインターネットサイト上に設けた専用ページで告知、販売する予定だ。
このほかトップツアーも今月中旬をめどに、全国80施設が参画する「家族応援『定額給付金宿泊プラン』」の発売を予定する。3月中旬〜5月30日までの設定。また65歳以上の夫婦を対象にした、2人で3万4千〜4万円の宿泊プランなども予定する。「定額給付金で少しおつりがくるくらいの価格設定」(同社広報)とする考えだ。
一方KNTは、23日から3世代での家族旅行に特化した商品を発売、サービス面や価格面から定額給付金を使った家族旅行を消費者にアピールする。関東5軒の宿泊施設13軒に泊まれるもので、4月1日〜9月30日の設定。2ルームプランや2間続きの大部屋プランなど客室利用の仕方が選べるほか、客室や個室食事処での食事、量より質の年配者向け夕食などを盛り込み、3世代での旅行ニーズに対応する。宿泊料金は大人が9200〜3万9800円、こども1400〜2万6500円と幅があるため、「施設によっては3世代6人で宿泊しても、定額給付金におつりがくる点も魅力」(同社広報)。
このほかキャリアでは、JR四国が18日、同社全線の特急列車普通車自由席が2日間乗り放題になるフリーきっぷと四国域内に3施設あるJRグループ「ホテルクレメント」の宿泊をセットにした旅行商品を発売する。一部を除き価格は1万2千円に設定した。設定期間は4月から6月末まで。
各社でアピールに腐心(JTBサイト)