旅ナカ予約のゲットユアガイド 訪日客向け商品を拡充へ 欧米豪の旅行者に強み


共同創業者COOのタオ氏(右)と日本オフィス代表の仁科氏

 ゲットユアガイド(本社=ドイツ・ベルリン)は、現地ツアーやアクティビティなどの「旅ナカ」体験商品のオンライン予約を取り扱うウェブサイトを展開し、欧米豪を中心とする旅行者に支持されている。日本のインバウンドの本格再開を受けて、共同創業者COOのタオ・タオ氏がこのほど来日した。タオ氏は「当社がターゲットとしている旅行者は本物の体験、本質的な価値を求めている。日本のあらゆる体験にアクセスできるよう、日本のパートナーの皆さまとの協業を拡大したい」と述べ、日本の体験提供事業者や観光施設などに参画を呼び掛けた。

 ゲットユアガイドは2009年の創業。ガイドツアーやアクティビティ、観光施設のチケットなど、世界150カ国以上の6万件以上の体験商品を取り扱っている。これまでの累計予約人数は約6千万人に上る。資金調達の総額は約1230億円。日本法人を含めて世界に17の拠点を持っている。

 同社では、メインターゲットに位置づける顧客を「モダン・エクスプローラー」と呼んでいる。現地の生活や文化に触れられる本物の体験、質の高い体験を求め、積極的に旅ナカ体験に参加する旅行者層をイメージ。遠距離の旅行回数が多く、可処分所得が高いなどの特徴があるという。

 同社によると、世界の旅ナカ体験商品のうちオンライン予約に対応している商品は、現在、全体の20%程度という。ただし、デジタル化の進展などによって、5、6年後には50~60%に拡大するとみている。同社も近年はコロナ禍の影響を受けたが、2022年の世界での売り上げは19年の2倍以上で推移し、今後の事業拡大を見込んでいる。

 タオ氏は「旅ナカ体験のビジネス拡大にベストなタイミングだ。若い世代を中心にモノの消費からコトの消費にシフトし、デジタル化も進んでいる。当社の顧客の中心である欧米豪の旅行者は日本に魅力を感じており、日本には大きなポテンシャルがある。日本の旅ナカ体験は、テーマパークや大相撲観戦といった大きなものから、文化や食、自然にまつわる多様な体験までさまざまだが、そうした全ての旅ナカ体験を私たちのサイトで予約できるようにしたい」と意欲を示した。

 日本法人のゲットユアガイド・ジャパンは18年に設立。日本の体験商品などの取り扱い状況について日本オフィス代表の仁科貴生氏は「10月のインバウンド受け入れの再開から予約が急激に回復しており、1週間当たりの予約はコロナ前と同水準まで回復している。来年はかなり大きな成長が期待できる」との見通しを示した。「日本で提携している体験事業者は現在、約200事業者。コロナ禍もあって日本の商品掲載数は他国に比べてまだ少ないが、掲載商品の拡充に取り組んでいきたい」と述べた。


ゲットユアガイドのサイト(画像はドイツ語ページ)。サイトへの商品の掲載など日本国内の体験事業者、観光施設などからの問い合わせ先は、sales.japan@getyourguide.com


共同創業者COOのタオ氏(右)と日本オフィス代表の仁科氏

 
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