新潟・松之山温泉、夕食に新スタイル導入


前菜メニューの「湯治豚」(左)と「醗酵豆腐」(右)

前菜メニューの「湯治豚」(左)と「醗酵豆腐」(右)

 新潟県松之山温泉の旅館が3月から、地元の食材を使った新しい夕食の前菜料理「まんまの前菜『温故知新』」を提供している。温泉熱を利用して調理した豚肉料理や豆腐をオリジナル味噌でからめた発酵食品など4点。松之山では旅館の朝食で地元ならではの1品を出す「朝ごはんプロジェクト」を2年前から行っているが、今回は旅館でとる最初の食事となる夕食の1品目にこだわった。食の魅力でより多くの宿泊客を迎えたい考えだ。

 着地型旅行を手掛ける地元旅館や飲食店出資の松之山温泉合同会社まんま(柳一成代表=ひなの宿千歳)が昨年から企画し、地元農家や加工業者と連携して完成させた。

 その1品「湯治豚」は新潟県魚沼の銘柄豚「妻有ポーク」を松之山温泉の源泉熱を利用して調理したもの。「電気、ガスなどのエネルギー使用量を減らした、自然環境に配慮した料理」と同社。露天風呂の源泉槽で調理するため、入浴中の宿泊客と調理人が料理や温泉について話に花が咲くこともあるという。

 「醗酵豆腐」は、地元産の豆腐を地元のオリジナル味噌「まんまの味」にからめ、長期間熟成させたもの。「チーズのようなねっとりとした食感は日本酒との相性もぴったり」。

 「野菜を野菜で煮た」という「菜々煮(さいさいに)」は、濃厚な野菜本来の味を楽しめる1品。

 「あんぼ」は、大根菜などで作ったあんを米粉の皮で包んで焼いた地域の伝統食。手軽に味わってもらいたいと、1口サイズに小型化した。

 参画する旅館6軒がこれらのメニューを提供している。

 企画した合同会社の柳代表は、「地域の農家、加工業者と連携のとれるコンテンツがそろってきた」と事業の成功に手ごたえを感じている。今後は「より地域に根差した、循環性の高い料理の開発をこれからも進めていきたい。決して華美ではない里山の料理を、興味あるお客さまにしっかり伝える術を、地域の旅館の協力で進めていきたい」と話している。

前菜メニューの「湯治豚」(左)と「醗酵豆腐」(右)
前菜メニューの「湯治豚」(左)と「醗酵豆腐」(右)
 
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