文化審議会は16日、新たに12件を史跡名勝天然記念物に指定、22件を追加指定、3件を登録記念物に登録、1件を重要文化的景観に選定するよう、文部科学相に答申した。答申通りならば、史跡名勝天然記念物は3268件、登録記念物は110件、重要文化的景観は64件になる。
史跡のうち、甲府城跡(甲府市)は豊臣政権下、甲斐一国を治め、関東の徳川氏に対する抑えとして築かれた城跡。築城期の野面積み石垣が天守台を中心に良好に残されており、東日本における初期段階の織豊系城郭として貴重という。
登録記念物の新登録となる会津飯盛山白虎隊士墳墓域(福島県会津若松市)は、戊辰戦争時の慶応4(1868)年に飯盛山で自刃した会津藩白虎隊を祀る墳墓域。戊辰戦争の悲劇とその慰霊を理解する上で意義深い。
その他の史跡などは次の通り。
【史跡の新指定】
チャシコツ岬上遺跡(北海道斜里町)▽棚倉城跡(福島県棚倉町)▽下寺尾西方遺跡(神奈川県茅ケ崎市)▽城の山古墳(新潟県胎内市)▽船来山古墳群(岐阜県本巣市)▽勝山御殿跡(山口県下関市)▽高松藩主松平家墓所(香川県高松市・さぬき市)▽安徳台遺跡(福岡県那珂川市)
【名勝】
旧益習館庭園(兵庫県洲本市)
【天然記念物】
銅山峰のツガザクラ群落(愛媛県新居浜市)▽竹田市神原の大野川水系イワナ生息地(大分県竹田市)
【登録記念物】
名勝地関係=丹藤氏庭園(旧三上氏庭園、青森県弘前市)▽興禅寺庭園・看雲亭(長野県木曽町)
【重要文化的景観】
宇和海狩浜の段畑と農漁村景観(愛媛県西予市)