
寒水の掛踊
国の文化審議会は15日、埼玉県上尾市の「上尾の摘田(つみた)・畑作用具」を重要有形民俗文化財に、岐阜県郡上市の「寒水(かのみず)の掛踊(かけおどり)」など5件を重要無形民俗文化財に指定するよう文部科学相に答申した。
水田に種もみをじかにまく摘田は、明治以後の水田開発や農業技術の進歩で消滅したが、遅くまで摘田を続けていた上尾市域で摘田用具の残存度が高く、畑作用具とともに収集され、体系的に整理されている。「稲作栽培や農耕文化の変遷を理解する上で重要」とされ、種もみを入れるザルなど750点が文化財に指定される。
重要無形民俗文化財には「寒水の掛踊」のほか、「方生津(ほうじょうづ)八幡宮祭の曳山・築山(ひきやま・つきやま)行事」(富山県射水市)、「阿波晩茶(あわばんちゃ)の製造技術」(徳島県上勝町、那賀町、美波町)、「対馬の盆踊」(長崎県対馬市)、「野原(のばら)八幡宮風流」(熊本県荒尾市)の4件が指定される。
対馬の盆踊と野原八幡宮風流、寒水の掛踊は国連教育科学機関(ユネスコ)の無形文化遺産に「風流踊」として追加提案される見通しだ。
寒水の掛踊