文化審議会(石沢良昭会長)は16日、京都市の「三宅八幡神社奉納子育て祈願絵馬」を重要有形民俗文化財に、山形県新庄市の「新庄まつりの山車行事」など7件を重要無形民俗文化財に指定するよう、塩谷立文部科学相に答申した。
三宅八幡神社の子育て祈願絵馬は、江戸後期から昭和初期にかけ、子どもの無事成長を願って奉納されたもので、124点をまとめ1件として文化財に指定する。描かれた子どもの名前をすべて書き込んだものもあり、「子育て祈願を目的にした絵馬のまとまりとしては初めての指定で、類例は少ない」と文化庁。
新庄まつりの山車行事は、市内21地域が各1台の山車を出し、天満神社の神輿に供奉して巡行する夏祭り。宝暦6(1756)年から始まったといわれる。東北地方の日本海側に伝わる同種の行事の典型例の1つで、山、鉾、屋台の祭りの変遷を知る上でも重要とされる。
このほか文化審は「諏訪湖の漁撈用具および舟大工用具」(長野県諏訪町)と「阿波木偶の門付け用具」(徳島市)を登録有形民俗文化財にすることを答申。また「津軽の七日堂祭」(青森県弘前市、平川市)など11件を、記録を残すべき無形民族文化財として選択するよう求めた。
なお、新庄まつりの山車行事以外の文化財は次の通り。
秋田のイタヤ箕制作技術(秋田市など)▽木積の藤箕制作技術(千葉県匝瑳市)▽越中福岡の菅笠制作技術(富山県高岡市)▽佐伯灯籠(京都府亀岡市)▽三朝のジンジョ(鳥取県三朝町)▽阿月の神明祭(山口県柳井市)