政府は1日、観光立国の推進に向けて省庁間の連携を強化するため、前原誠司国土交通・観光立国担当相を本部長とする観光立国推進本部を設置した。全府省の副大臣などで構成。9日に初会合を開く。複数の省庁の調整が必要な課題として、外客誘致、観光連携、休暇分散化の3つの作業部会を置く。中国に対する訪日観光査証(ビザ)のさらなる緩和、旅行需要の平準化につながる休暇制度の改革などが具体的なテーマとなる。
前原国交相が閣僚懇談会で提案し、設置が了承された。推進本部の事務局長には辻元清美・国土交通副大臣、事務局次長には藤本祐司国土交通大臣政務官が就いた。
外客誘致の作業部会は査証の発給や出入国管理などが検討テーマ。前原国交相が意欲を示す中国に対する訪日観光ビサの発給要件などの緩和もテーマとされており、外務省や法務省などとの検討が見込まれる。
休暇分散化の作業部会は、旅行需要の平準化が「旅行コストの低減や観光産業の生産性の向上、雇用の安定化などさまざまな効果をもたらす」との視点から、関係省庁間で検討、調整を進める。
観光連携の作業部会は、エコツーリズムやグリーンツーリズム、医療観光、産業観光などの活性化について、他省庁との連携のもとで観光振興策を検討する。
観光立国の推進については、全閣僚をメンバーとする観光立国関係閣僚会議(2003年設置)が設置されていたが、政権交代に伴う見直しで11月に廃止されている。