安倍晋三首相は、3月28日の新型コロナウイルス感染症対策本部で、緊急経済対策を今後10日間程度でまとめ、2020年度補正予算を編成し、国会に提出する考えを表明した。中小企業などの事業継続、雇用維持に向けて融資制度を強化し、給付金制度を創設するほか、流行の終息後には大規模な観光キャンペーンなどを実施する方針。
安倍首相は「今は感染拡大の防止、重症化の防止が最優先だが、その後は、日本経済を再び確かな成長軌道へと回復させていく。甚大な影響のマグニチュードに見合うだけの強大な経済政策を打っていかなければならない」として、これまでの経済対策に加え、補正予算を編成し、財政、金融、税制の施策を講じる考えを示した。
新たな経済対策のうち、中小・小規模事業者などへの対策では、民間金融機関でも無利子の制度融資を受けられる制度を整えるとともに、特に厳しい状況にある事業者など対して、事業を持続するための新たな給付金制度を創設する。
感染症の流行の終息を見据えた対策では、観光業、運輸業、飲食業、イベント・エンターテインメント業を対象として、「日本国内における人の流れと街のにぎわいを作り出し、地域を再活性化するため、官民一体型のキャンペーンとして大規模な支援策を展開する」と述べた。東京2020オリンピック・パラリンピックの延期も踏まえて、事業者への支援策を強化していく。