「旅先でしか呑めぬ酒(旅×酒)」プロジェクト
愛知県ホテル旅館生活衛生同業組合青年部はこのほど、愛知県酒造組合(名古屋市)と共同で「旅先でしか呑めぬ酒(旅×酒)」と題したプロジェクトを進め、組合加盟施設のみで提供するオリジナルの日本酒を作製した。
コロナ禍で苦しむ宿泊、酒造両業界を盛り上げたいとの思いから同プロジェクトは始動。「各旅館やホテルが宿泊者に提供する郷土料理に合うおいしい日本酒」をコンセプトに、尾張名古屋、知多、三河豊田の県内各地区から参加を募り、個性の異なる4種類の日本酒の選定、作製を進めた。
16件の応募の中から、料理家で日本酒ディレクターの田中順子さんのアドバイスを踏まえながら、1次、2次審査を経て、4種類の日本酒が選定された。「花」は県内産の酒造好適米「夢吟香」を100%利用した大吟醸酒で、華やかな香りが特徴的。「鳥」は夢吟香と、名古屋市西区の食品工業技術センターで培養されたFIT酵母を使用し、同市緑区の酒蔵で仕込んだ名古屋尽くしの日本酒。ジューシーな味わいが評価されている。
「風」は夢吟香に酒造好適米「夢三水」「若水」を加えて作った日本酒。3種の好適米に由来する爽やかな香味と味わいが特徴的。「月」は全国的に有名な酒造好適米「山田錦」を原材料とする純米吟醸。コクのある味わいが、地元、愛知県の発酵調味料や煮物の味付けと調和する。「商品名の『花鳥風月』は、今後復活するインバウンド需要なども見据えて和名が望ましいと考えて命名した。いずれも既存で商品展開されていない、旅館・ホテルでのみ堪能できるオリジナルの日本酒。コロナ禍で低迷する旅館業の勢いを取り戻すための商品として、自信を持って提供していきたい」と愛知県青年部の渡邊博之青年部長。
同プロジェクトの取り組みが評価され、愛知県青年部は2月17日に開催された全旅連青年部全国大会で、優れた活動を表彰する「褒賞」のグランプリを受賞。日本酒は発表会を経て、4月中旬から各会員施設での提供を予定している。
左から「花」「鳥」「風」「月」
2次審査
酒造見学
ラベル貼り