恩納村役場、持続可能なダイビング・シュノーケリングガイドライン「グリーン・フィンズ」日本語版制作


 恩納村役場は12月15日、持続可能なダイビング・シュノーケリングガイドライン「グリーン・フィンズ」の日本語版を制作、導入したと発表した。

恩納村役場(所在地:沖縄県国頭郡、村長:長浜善巳)が2020年4月に日本で初めて導入を決定した環境に優しいガイドラインを通じて、持続可能な観光、ダイビング・シュノーケリング事業を促進し、サンゴ礁を保全することを目的とされた取組み「Green Fins(グリーン・フィンズ)以下、グリーン・フィンズ」の日本語版ガイドライン・各種素材が完成しました。
豊かなサンゴが広がる恩納村は、そのサンゴ礁の生態系を保全するため、諸外国では政府主導で導入されるグリーン・フィンズを世界ではじめて自治体主導で導入しています。

グリーン・フィンズ 日本語版 ガイドライン・各種素材URL
https://greenfins.net/action-centre/?_language=japanese

ダイビングがサンゴ礁を含む海洋生態系に与えるダメージは、近年深刻な問題として提起されています。グリーン・フィンズはそのような課題に対応するべく、国連環境計画(UNEP)が始めた取組みです。現在、リーフワールド財団主導で運営され、2004年の設立以来、11カ国・約600のダイビングショップが認定されています。

グリーン・フィンズのポスターやガイドラインが日本語で閲覧できるようになることで、各地の各観光事業者が自分たちの事業を通して環境に与える影響をより深く理解できるようになります。また、自身のショップ内やゲストの皆様に、環境の持つ重要性を伝え、巻き込んでいくことで、海洋環境保全に留まらない分野で、持続可能な取組みが実施できるようになります。

導入が始まった恩納村は「青の洞窟」をはじめ、真栄田岬や万座毛など人気ダイビングエリアを有する沖縄本島の北部に位置しています。2018年7月に「サンゴの村」を宣言し、それに基いた様々な事業を展開しています。また、2019年には内閣府より「SDGs未来都市」に選定され、その中からも特に先導的な取組みをしていることから「SDGsモデル事業」にも認定されました。

恩納村の産業は農水産業と観光業がメインであり、それらは全てサンゴ礁が育む豊かな生態系が存在する海があるからこそ成り立っているものです。一方で観光業が発展することで多くの人が海に入り、魚への餌付けや海洋資源の踏みつけなどの行為を通して、サンゴ礁へ悪影響を与えているのも事実です。その認識の下、恩納村は、サンゴを保全することで環境保全を行うと同時に、それを経済的な付加価値に繋げていこうとしています。グリーン・フィンズを導入することで、サンゴを守りながらダイビングやシュノーケリングを観光客に楽しんでいただき、顧客満足度や単価の上昇、さらには雇用に繋げていこうとしています。

グリーンフィンズ(Green Fins)日本語版ポスター・ガイドライン 一例 

 

恩納村 SDGs推進事務局 Green Fins推進担当 積田彗加氏コメント
日本は海に囲まれた国であり、そこから漁業や観光の恩恵を受けています。
今後もこの豊かな資源が持続可能となるように様々な取り組みが行われていますが、その一つとしてグリーンフィンズが広がっていくことを期待しています。
今回の日本語版のリリースはその第一歩となるでしょう。現在グリーンフィンズの日本での導入を沖縄県・恩納村で始めていますが、その他の地域でもサンゴや海を守っていくという意識の向上や具体的なアクションに役立てていただければ幸いです。

リーフワールド財団ディレクター ハービー・クロエ氏コメント
国連環境計画(UNEP)と提携をしている国際コーディネーターとして常に世界中の皆様に、サンゴ礁保全のための簡単に取り組めることを共有するよう努めています。
日本語での資料を提供できることはより多くの方がサンゴの保全に役立つダイビングやシュノーケリングをしようと気を付けることができるようになる、とても大きなステップであり、海を守ることに繋がると思っています。

グリーンフィンズ(Green Fins)とは
2004年、国連環境計画が開始した取組み。ダイビングやシュノーケリング事業に対し、環境に優しいガイドラインを普及させていくことを通して、サンゴ礁を保全することを目的としている。現在はリーフワールド財団が主導する。
ダイビング・シュノーケリング業界にとって、唯一の国際的な環境基準であり、厳しい評価制度を設けおり、導入後の効果測定なども行っている。
設立以来、11カ国・約600のダイビングショップが認定されている。
公式ウェブサイト:https://www.greenfins.net/

<グリーン・フィンズの主な活動>
サンゴ礁への負担を減らすことをダイビング業界の方々に対し促し、奨励している。
「錨の使用」、「魚への餌やり」、「化学物質汚染」など環境や海洋生物に対して悪影響を及ぼしてしまう行為に対して、低コストな代替案や、戦略トレーニング、支援や資料提供を行うことで、観光事業におけるサンゴ礁への直接的、間接的なストレス要因を日々減らそうとしている。

リーフワールド財団とは
イギリスをベースとした世界中の海洋生態系の課題解決を目標とするの慈善団体で、グリーン・フィンズの国際コーディネーター。
地域社会や観光客、次世代のために主にサンゴ礁やサンゴ礁関連の生態系などの自然資源を有効に活用することを促進している。政府、企業、地域や個人を支援し、未来のための持続可能な資源確保を目的に、世界中の政府、企業、皆様のために活動している。
公式ウェブサイト: https://reef-world.org/

 

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒