廃業旅館をアイデアで再生 長野・別所温泉 柏屋別荘


表彰式では入選者が自身のアイデアを発表

芸術家活用案など11件が入賞

 柏屋別荘スモールMICE実行委員会は5日、募集していた廃業旅館(柏屋別荘・長野県別所温泉)で実行可能なアイデアの表彰式を行った。長野大学の学生や地元事業者など全国から19件寄せられたアイデアから11件を表彰。廃業旅館の新たな生かし方の検討、再生に向けた事業モデルの構築を図る。

 柏屋別荘は、2017年に廃業して売却されていた。現在は信田直昭氏が所有し、配管の修繕や畳の入れ替えなど、設備の復旧が行われている。また、信田氏は、長野大学や有志と共に、研究を重ねながら廃業旅館の活用を検討している。

 今回の取り組みは、観光庁の「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」の一環として行われ、廃業旅館の生かし方、売り出し方のアイデアが募集された。

 表彰式では、入賞者がアイデアを発表。シアター&アーツうえだ(長野県上田市)の荒井洋文代表は、「別所アート・センター~アーティスト・イン・レジデンス事業とゲストハウスの運営~」と題し、芸術家が旅館に長期滞在しながら作品を制作する場としての活用策を示した。

 このほか、入選者からは上田市発祥の「農民美術」の一つ「こっぱ人形」を展示する「こっぱ人形ミュージアム」や、数多くの部屋を有する旅館の各部屋を商業施設のように貸し出す「オークWalk」、柏屋別荘でのフォトスポット・ブース制作、資料展示スペース、インドアキャンプ場としての活用、旅館や飲食店の仲介役を担う喫茶店の営業などのアイデアが紹介された。入賞者には表彰状などが授与された。

 今後に向けて、信田氏は「宿泊と温泉利用以外での活用を考えている。大学の研究拠点、企業研修、MICEなどでの活用も考えられる。柏屋別荘は100年の歴史がある旅館、別所温泉のシンボルの一つでもあり、地域と連携、協働しながら、別所温泉、上田のにぎわいの拠点化を目指したい」と話す。

表彰式では入選者が自身のアイデアを発表

表彰式では入選者が自身のアイデアを発表

 
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