日本が世界文化遺産への登録を目指していた「平泉〜浄土思想を基調とする文化的景観」(所在地・岩手県)の登録延期が決まった。7日、カナダ・ケベックで開催されたユネスコ世界遺産委員会は、世界遺産にふさわしい「普遍的な価値の証明が不十分」として登録を見送った。
日本が推薦した案件が、登録されなかったのは初めて。ただ、登録延期は、推薦書を再提出することが可能。最も早ければ来年2月までに推薦書を再提出し、2010年7月ごろの委員会で再度審議を受けることができる。
登録延期を受けて、岩手県平泉町の高橋一男町長は「これで道が閉ざされたわけではない。今後も関係機関と連携して登録に取り組みたい。平泉の文化遺産にみられる平和を願う浄土思想は、世界に誇るべきもので、世界遺産にふさわしいと確信している」とのコメントを出した。