
島根県と島根県観光連盟は15日、東京都目黒区の目黒雅叙園で、首都圏の旅行会社や航空会社、メディア関係者を対象とした観光情報説明会を開催した=写真。今年度から同県が4年計画で展開している古事記編纂1300年をテーマとした大規模観光キャンペーンの概要を中心に、同県のこれからの観光トピックを紹介。情報発信や誘客への協力を求めた。
説明会の冒頭であいさつした溝口善兵衛知事は、NHKドラマ「だんだん」「ゲゲゲの女房」の放映などにより同県の注目度が高まっていることや首都圏からの観光客が増加していることを紹介。また今年度からスタートした大型観光キャンペーン「神々の国しまね〜古事記1300年」に言及し、「県内の受け入れ整備をしたり、県内各地で神楽を行ったりするなどの企画を考えている。2012年末には山陰でのデスティネーションキャンペーンも開催予定だ。是非多くの方に当県へ来てほしい」と訴えた。
説明会では同県が進めている大型観光振興キャンペーンについて、最終年度の2013年度までの4カ年で入込客数500万人、総事業費25億円を予定していることを発表。メーンイベントを展開する2012年度には、東京、京都の国立博物館で国宝「宇豆柱」などを展示する巡回展を行うほか、同年秋〜冬季には、同県出雲市の県立古代出雲歴史博物館を主会場にしたイベント「神在(かみあり)の祭典」を開催し、高さ48メートル相当と伝えられる出雲大社の神殿を疑似体験できるような展示企画などを行う計画であることを説明した。
キャンペーンに伴い、同県では旅行会社への情報提供や教育旅行の誘致に注力するほか、テーマに連動した旅行商品、2次交通の充実による周遊型旅行商品、インバウンド旅行商品の造成を積極的に進めるという。
プレゼンテーションを行った松本修吉・島根県商工労働部観光振興課調整監は、「鳥取、宮崎、奈良、三重などの神話、伝承を持つ県とも連携をとりながら誘客宣伝を進めていきたい」と述べ、キャンペーンを契機に全国的な「古事記ムーブメント」を起こすことへの意欲を示した。
説明会ではこのほか、総合広報プロデューサーを務める、放送作家の小山薫堂氏からのビデオメッセージの上映や、奈良県による古事記にかかわる観光誘客策の紹介、松江や隠岐、石見など同県各地によるプレゼンテーションを行った。
