岩手県の田野畑村はこのほど、東日本大震災からの観光と水産の復興を目指す2つの事業をスタートさせた。津波により大きな被害を受けた机浜番屋群を再生させるプロジェクトと田野畑わかめを復興させるプロジェクト。全国から支援者を募り、地元の住民や漁業者と交流してもらいながら村の復興につなげていく考えだ。
机浜番屋群25棟は、漁村の文化が息づき、体験型の観光拠点としてにぎわっていたが、津波ですべて流出。自慢の特産物だった田野畑わかめも、養殖施設や作業設備のほとんどが流されてしまった。
机浜番屋群再生プロジェクトでは、全国から支援者の登録を募る。登録金は1口1万円からで、約7割は建築資金、約3割はプロジェクト運営経費に充てる。支援者には、番屋群再生の構想づくりや建築作業にも参加してもらう。
田野畑わかめ復興プロジェクトでは、オーナー登録を募る。登録金は1口1万円からで、約7割は養殖設備などの整備資金、約3割はプロジェクト運営経費や収穫、加工したわかめの配分費用に充てる。収穫時期には漁業者らと交流するイベントも行う。
番屋群は、建築の資金確保にメドが立った時点で建築作業に入る予定。田野畑わかめは来春に収穫、加工し、塩蔵わかめとして配送できるよう、復旧作業を進める。
田野畑村役場政策推進課復興対策室では「村の観光業、水産業の象徴である番屋群とわかめを地元の住民や漁業者と、全国の支援者との絆で復興させたい」としている。
各プロジェクトへの登録の詳細は、村役場のホームページまで。
震災以前の番屋群