国土交通省は11月24日、2023年度の国交大臣表彰「手づくり郷土(ふるさと)賞」として、社会資本と関わりのある地域づくりの優れた取り組み15件を選定した。大賞には、熊本県山鹿市の「米米惣門(こめこめそうもん)ツアー~永遠に続くストーリー」と、宮崎県西都市の「記紀の道~地域の宝をつなぎ心を育む」の2件を選んだ。
23年度の手づくり郷土賞には、全国各地から35件の応募があった。内訳は大賞部門に7件、一般部門に28件。有識者による選定委員会を10月27日に開催し、各賞を選出した。受賞記念発表会は12月23日、東京都内で行う。
大賞を受賞した山鹿市の「米米惣門ツアー」は、下町惣門会が活動団体。2000年、テレビドラマで下町商店街がロケ地となったことを契機に、ガイド付きの街案内ツアー「米米惣門ツアー」を始めた。豊前街道を活用したまち歩きツアーで、事業所の店主たちが交替でガイドを務めるリレー方式で実施している。外国人旅行者にも魅力が伝わるようガイドにも工夫をこらす。ツアー参加者数は、新型コロナウイルスの影響で一時低迷したが、現在は回復傾向。豊前街道で歴史文化の継承や歴史的町並みなどの広報を続け、地域活性化に貢献している。
もう一つの大賞、西都市の「記紀の道」は、妻北地域づくり協議会などが活動団体。西都原古墳群と中心市街地を結ぶ神話にまつわる伝承地を巡る道で、自然景観の保全や創出、人材育成などに取り組んでいる。郷土愛を未来に伝えようと、「記紀の道」のドキュメンタリー映画を撮影し、郷土を学ぶ教材としても取り上げられた。記紀の道をランタンで飾りたいという学生のアイデアや新規のボランティア活動が生まれるなど、多くの市民に認知されている。
一般部門の受賞結果は次の通り(地域名、件名、活動団体名)。
会員向け記事です。