観光経済新聞社は5月23日、観光業界の識者を招いてのオンラインセミナー「観光経済新聞チャンネル」の第14回配信を行った。やまとごころ代表取締役の村山慶輔氏が、「小さな会社のインバウンド売上倍増計画~地方の旅館編~」をテーマに、インバウンドの正しい攻め方について講演した。
村山氏はモノから体験や宿泊施設への消費が増加しているインバウンドの現状について紹介。来年開催される大阪・関西万博関連事業が増えている点にも触れ、万博を契機としたインバウンド誘致に伸びしろがあることを伝えた。
また、観光トレンドとして今年4月に施行された、国内外の旅行先など働く場所を選ばず、テレワーク形式で仕事ができる人を対象とした在留資格「デジタルノマドビザ制度」について紹介。ITを活用してリモート勤務していることや、年収1千万円以上であることなど、要件を説明した。
宿泊施設のインバウンド施策について、「特に平日の稼働が下がる傾向。インバウンドは平日に宿泊、連泊してもらえる可能性がある」と村山氏。加えて、「集客方法は(1)現地の旅行会社代理店への営業(2)DMCやランドオペレーターへの営業(3)OTAおよび自社サイトへの掲載(4)地域営業―の4点のみ。地域全体が商品であり、地域全体が宿の魅力を作り上げている。小さな会社は自治体やDMOを頼りながら地域一体となって進めていくべき」と述べた。
最後に、小さな会社が最初に始めることとして、「まずは集客につながる攻めのアクションを起こすべき。現状、多少でもインバウンドが来ていれば宿泊客にヒアリングして現状把握をする、全く来ていないのであれば、海外の人にリーチしやすいOTAを活用するなど、発信方法を見直すことをおすすめする」とアドバイスした。