
全国水利用設備環境衛生協会(水利協、東京都台東区)は、1995年に当時の厚生労働省健康局の主管の下に設立。以来、肺炎などを引き起こす恐れのあるレジオネラ属菌の増殖やレジオネラ症への感染を防止するための方法・技術を啓発し、環境衛生の向上の必要性を伝えている。
水利協では、入浴設備を含む水を利用する設備を有する宿泊施設などに向け、「水利用設備環境衛生適合証」=写真=の取得を呼び掛けている。
同適合証は、水利協に加盟している正会員による清掃と、水質およびレジオネラ検査などの衛生管理が実施され、各都道府県の条例に適合した施設に対して発行される。
すでに約150軒の宿泊施設で取得され、「宿泊客に対して、安心安全を訴求していると同時に、従業員の衛生に対する意識が高まっている」と会長の大熊久之氏。
水利用設備環境衛生適合証を取得するために必要な要件は、(1)水利協の正会員の定期的な衛生管理が実施されているか(2)水質・レジオネラ検査で、条例などで定める基準を満たしているか(3)日常の衛生管理が適切に実施されているか―などが挙げられる。
最大の特徴は、補償制度を設けた点。万が一、同適合証が発行された施設でレジオネラ症の感染事故が発生した場合には、感染者に対して最大1億円の賠償金が支払われる。施設に対しても、休業補償費で同額が支給されるため、「適合証を取得することで衛生管理をさらに徹底してもらえれば」と大熊氏。
発行される適合証の有効期限は1年間で、毎年の更新が可能。詳細は水利協メールアドレス(info@suirikyo.or.jp)。