富山県魚津市の旅館「金太郎温泉」は今年7月、ブランドイメージ向上を目指し取り組んできたダイニングのリニューアル、客室の改装を完了した。個人客の増加を見据えた段階的な商品整備「リ・ボーンプロジェクト」の第2弾として、館内全体の高品質化が実現した。
同館が取り組む「リ・ボーンプロジェクト」は、個人客の増加を見据えた経営革新計画に基づき、段階的に商品整備を進めるもの。2022年には、ギフトショップやラウンジなど、パブリックエリアの全面リニューアルと個人向け会食会場の整備も完了しており、今回の商品整備はそれに続く第2弾として、ダイニングの改装と主要客室の高品質化を実施した。
ダイニングの改装では、畳と障子が特徴だった既存食事会場「Dining瑞兆」を一新し、プライベートな空間を印象付けるダイニングへとリニューアルした。各テーブルはゆとりを持たせた配置とし、仕切りや照明演出も駆使することで、オープンな空間にもかかわらず隣席が気にならない工夫を施した=写真。食事の提供時は、利用客に合わせて一品ずつ提供するスタイルにこだわった。会場に隣接するパントリーも改修。料理ごとに最適なタイミングで提供することで食事の印象が高まるとともに、提供前の膳上セット作業の負担軽減や洗い場での下膳食器集中を防ぐなど、運営効率向上も実現させた。
主要客室の高品質化では、2~4階の27室で改修を行い、別館の全客室のリニューアルが完了。スプリンクラーや空調設備の更新を実施したほか、稼働が低下していた光風閣「峰の界」の特別室2室を、グループやファミリー利用を前提とした仕様に改修した。