宿泊業団体、新型コロナ感染防止と営業両立へ指針


客室、食事など対策例示

 宿泊業団体は、新型コロナウイルスの感染拡大防止と営業活動を両立させるため、「宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン」を策定し、14日に公表した。政府の専門家会議が業種ごとの指針の必要性を指摘したことから、旅館・ホテルの具体的な感染防止対策の事例をまとめた。エリア・場面ごとに例示された対策を参考に、各旅館・ホテルが施設の規模や業態などの実情に合わせた対策を講じるよう呼び掛けている。

 ガイドラインは、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)、日本旅館協会、全日本シティホテル連盟(JCHA)の3団体が連名で策定。日本ホテル協会は単独で策定した。「第1版」「初版」としての作成で、専門家の提言などに応じて内容を随時見直す。

 3団体連名のガイドラインでは、従業員と宿泊客、宿泊客同士の接触をできるだけ避け、対人距離(できるだけ2メートル)を確保することをはじめ、マスク着用、消毒、手洗い、換気などの基本原則や共通事項のほか、エリア・場面ごとの対策がまとめられている。

 チェックイン・アウトでは、「フロントデスクは宿泊客との距離を保つ、またはアクリル板、透明ビニールカーテンなどで遮蔽」「モバイルによるプリチェックインの導入」「カード決済による非対面チェックアウト手続き」などを例示。館内・客室の案内では「従業員による説明ではなく、文書の配布や動画の紹介などの導入」を挙げている。
客室に関しては、ドアノブや備品の消毒、一定時間ごとの窓を開けた換気の要請、空調機の外気導入の設定など。大浴場では、入場人数を制限することの検討のほか、浴室内の換気、更衣室のロッカーや備品の消毒などの対策を求めた。

 食事関係では、食事処、レストラン、宴会、会食などについては、都道府県の施設使用制限などに従うことを基本に対策を例示した。食事処では、人数・時間の制限、横並び着席やテーブル間隔の確保をはじめ、料理の盛り付けでも「鍋料理や刺し身盛りなどは一人鍋、一人盛りに変更」などの事例を示している。

 ビュッフェに関しては、「セットメニューでの提供に代えること」を検討するよう提案したほか、ビュッフェで提供する場合にも「料理を小皿に盛って提供、スタッフが料理を取り分ける」などの対策をとるよう求めた。部屋食については、従業員の客室への入室回数を少なくすることなどを対策に挙げている。

 サービス上の対応以外にも、清掃作業や従業員の休憩スペース、トイレの管理などについても留意点を例示している。

 
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