宿泊業に「工学」の視点を 宿泊施設関連協会がパネルディスカッション


パネルディスカッション

 宿泊施設関連協会(JARC)は1月29日、賀詞交歓会を東京都千代田区の都市センターホテルで開いた。会員企業を中心に約200人が参加した。懇親会に先立つ第1部では、パネルディスカッション「宿泊産業に必須となるホスピタリティサービス工学という視点とは」を行った。

 パネルディスカッションは、日本アプレイザル取締役の北村剛史氏をモデレーターに、観光庁観光産業課観光人材政策室参事官の小熊弘明氏、帝国ホテル東京情報システム部部長の花井伸二氏、雪国観光圏代表理事の井口智裕氏、宿泊施設関連協会会長の林悦男氏の4人が登壇した。

 小熊氏は2019年度の観光庁「宿泊施設の生産性向上推進事業」を紹介。宿泊施設8軒と八幡平DMOが参画する八幡平RPA推進協議会で、ホワイトカラーの業務効率化・自動化の取り組みであるRPA(ロボティック・プロセス・オートメイション)の導入による海外OTAを通じた海外販路の拡大・業務の効率化の支援事業を行った例などを挙げた。

 花井氏は、生産性向上と人材不足への対応のためには「お客さまから見えない部分は徹底的にICT化・機械化し、人がやるべきこととやらなくてもよいことを分ける必要がある。接客スタッフがいかに接客に集中できるか、ハイテクに支えられたローテクなサービスこそ重要」と話した。

 新潟県の越後湯沢温泉「HATAGO井仙」と越後六日町温泉「Ryugon」の2軒の旅館を経営する井口氏は、旅館・ホテルの品質認証制度「サクラクオリティー」を雪国観光圏の45軒の旅館・民宿で採用していると述べた。

 林氏は「IT人材には、IT企業に所属する人材、ユーザー企業の情報システム部門の人材、ユーザー企業のIT利活用人材の3種類がある。IT利活用人材は圧倒的に不足している」と話した。その上で「生産性向上のためにこれからのホテル・旅館が必要とするスタッフは、工学の視点からサービスづくりができる人材『ホテルエンジニア』だ。マーケティングとテクノロジーシステムから導かれたデータを基に課題を解決して、ブランド力や販売力を強化できるスタッフ。そして、パーソナルサービス、ヒューマンサービス、テクノロジーサービスを論理的に融合させて、お客さまに効率のよいサービスを提供できるスタッフが必要となってきている」と解説した。


パネルディスカッション

 
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