伊豆修善寺温泉「新井旅館」の相原昌一郎社長は8日、東京ビッグサイトでHCJ2023のトレンドセミナーに登壇し、「今こそ見つめなおしたい、宿泊施設における本当の価値とは?」と題して講演した。
創業が明治5年で昨年150周年を迎えた新井旅館は、敷地内に15棟の文化財の建物群を持ち、フルスペックの旅館サービスを継続して行っている。登録文化財の「青洲楼」「天平大浴堂」などは特に有名。その姿や接客手法が「変わらないこと」を施設の最大の価値と位置付けている。
相原社長は登録文化財を抱えることのデメリットについて「担保価値棄損の可能性がある。また、寒い、暗いといった宿泊客からのクレームに対して『文化財なので我慢しろ』という従業員の甘えが出る可能性もある」と指摘。「文化財を書面上だけでなく実際の価値に転換していく必要がある」と語った。
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