安倍晋三首相は、1月24日に開会した通常国会の施政方針演説で、地方の活性化につながる観光立国の実現に強い意欲を示した。「観光立国」の項目を設け、文字数にすると、350字余りを費やした。訪日外国人旅行者2千万人の達成に努力することなどを訴えた。
訪日外国人旅行者の誘致に関しては、「やれば、できる。次は2千万人の高みを目指し、外国人旅行者に不便な規制や障害を徹底的に洗い出す。
2020年に向かって、目標を実現すべく努力を重ねていく」と述べた。
また、観光については「元気な地方を創る」の項目の中でも触れ、「地方には、特色ある産品や伝統、観光資源などの『地域資源』がある。そこに成長の『可能性』がある。地域資源を活かして新たなビジネスにつなげようとする中小・小規模事業者を応援する」との考えを示した。
観光立国と題した演説部分は次の通り。
(観光立国)
昨年、外国人観光客1千万人目標を達成いたしました。
北海道や沖縄では、昨年夏、外国人宿泊者が8割も増えました。観光立国は、地方にとって絶好のチャンスです。タイからの観光客は、昨年夏ビザを免除したところ、前年比でほぼ倍増です。
やれば、できる。次は2千万人の高みを目指し、外国人旅行者に不便な規制や障害を徹底的に洗い出します。フランスには毎年8千万人の外国人観光客が訪れます。日本にもできるはず。2020年に向かって、目標を実現すべく努力を重ねてまいります。
「日本人のサービスは世界一」
1千万人目として、タイから来日したパパンさんの言葉です。日本のおもてなしの心は外国の皆さんにも伝わっています。昨年は富士山や和食がユネスコの世界遺産に登録されました。日本ブランドは、海外から高い信頼を得ています。
観光立国を進め、活力に満ちあふれる地方を、皆さん、創り上げようではありませんか。