奈良公園バスターミナル、4月13日に開業 乗降専用で渋滞緩和へ


修旅集中期の運用課題

 奈良県が県庁東側の隣接地に整備を進めている奈良公園バスターミナル(奈良市)が4月13日に開業する。団体観光や修学旅行のバスの乗降専用に利用するターミナルで、深刻化している周辺道路の交通渋滞の緩和につなげる。乗客の降車後の観光バスは指定の場所に駐車する。現在、乗降・駐車場となっている大仏殿前駐車場は、障害者や高齢者などが乗車する観光バス以外は利用できなくなる。

 奈良公園バスターミナルは乗降用のスペースが12台分、予備に4台分の計16台分。乗客を降ろした後の駐車は、ターミナルから車で30~40分ほどの大和郡山市に設置する上三橋駐車場を利用する。短時間の駐車の場合は、現在も駐車に利用されている県庁南側の高畑駐車場に振り分ける。

 交通渋滞の緩和のため、奈良公園バスターミナルや各駐車場への進入コースも指定し、旅行会社やバス会社に協力を呼び掛ける。奈良公園バスターミナルへは、国道24号経由で大宮通りを東に進んで進入。高畑駐車場は奈良公園内を通過せずに南側から進入、上三橋駐車場も南側から進入するコースを設定している。

 大仏殿前駐車場で乗降、駐車できるのは、障害者や高齢者などが乗車する観光バスだけとなる。大仏殿前駐車場のスペースは、パーク&ライドや個人客への対応など周遊観光の環境整備のため、奈良市内の観光スポットを巡る周遊バス「ぐるっとバス」の乗り継ぎ拠点として4月20日から運用を開始する。

 奈良県は12日、旅行会社を対象とした説明会を東京都内で開催し、奈良公園バスターミナルの開業に伴う観光バスへの対応を説明した。奈良県まちづくり推進局兼観光局の志茂佳成次長は「修学旅行、団体旅行の送客には感謝している。喜ばしいことにインバウンドも増えている。しかし、ここ数年、交通渋滞がひどくなっている」として新たな運用方法に理解を求めた。

 旅行会社の修学旅行担当者から「修学旅行のピーク期には利用が集中するが、うまく対応できるのか」といった不安の声も。上三橋駐車場からバスを回送する時間の管理、修学旅行生を待機させておく場所のスペースの確保などで質問が出た。

 奈良県では、奈良公園バスターミナルのオペレーションセンターが上三橋駐車場と連絡態勢をとって観光バスの到着を知らせる放送を行うことや、県庁北側の敷地の緊急時の活用を検討していることなどを説明した。

 奈良公園バスターミナル、駐車場の利用は完全予約制。2018年8月から観光バスの駐車予約に使われているインターネットの「奈良公園団体バス駐車場予約システム」を利用する。予約の受け付け開始は、修学旅行が3月18日午前9時から、一般が3月25日午前9時から。9月末までの利用の予約ができる。料金は、大仏殿前駐車場の利用料金と同程度を想定しているが、県議会での関連議案の可決後に発表する。

 奈良公園バスターミナルは、観光情報の入手、歴史や文化の学習に役立つ情報広場や展示スペース、300席のホールも備える。飲食店や土産店、着物レンタル店なども併設。東棟の屋上スペースも開放し、若草山などを一望できるビュースポットとする。

 
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