山形県天童市で、かつて天童織田藩が将軍家に献上していた「寒中挽(ひ)き抜きそば」を味わう賞味会が9日、同市の「ほほえみの宿滝の湯」で開かれた。
江戸末期、天童はそばの栽培が盛んで、織田信長の子孫の第11代藩主、織田信学が将軍家に献上した記録が「大成武鑑時献上」に残っている。その文献に基づいて再現されたイベントで、15回目の開催となる。
挽き抜きそばは、秋に収穫された新そばを冬場まで寝かし、石臼で玄そばのまま挽きつぶし、殻を取り除き、仕上げたもの。
主催の天童商工会議所観光部会(森谷智昭部会長)と市麺類食堂組合(矢萩長兵衛組合長)によると、前売り券700枚(価格1200円)は完売。県内はもちろん、近県からのそばファンらが新そばを味わった。
森谷部会長は「人間将棋やサクランボ狩り、くちびる美人コンテストに続いて、天童の冬の新たな観光資源となることを期待している」と話していた。