城島高原オペレーションズ 代表取締役社長 後藤康男氏に聞く

  • 2022年9月6日

後藤社長

別府を、大分を観光に生かす

“お客さまの笑顔が見たい!” 人と地元を大切にする企業経営

 ――経営理念は。

 「『お客さまの笑顔が見たい!』を理念に掲げている。貴重な時間とお金を頂き、当社施設を利用してもらうことに対し対価以上、代金以上の付加価値を享受してもらいたい。家族連れのお客さまが帰路につく際、『今日は楽しかったね』『また来たいね』とほほ笑みながら言って下さる姿を見ると、私以下社員、スタッフ一同喜びを感じ、働きがいを見いだせる。シンプルだが大切な意識だと思う」

 ――コロナ禍初期から現在までの業績について。

 「2020年のゴールデンウイークに初めて緊急事態宣言が発出され、5月3、4、5日の最大の書き入れ期に当社施設は休止を余儀なくされ、同年の当社売り上げ(城島高原パーク、城島高原ホテル、城島高原ゴルフクラブの3部門合計)は通常年度の約3分の2へと激減した。雇用調整助成金やコロナ対策融資を受け、何とかしのいだ。厳しい中でも、観光・サービス業は人材確保が難しく、長く勤めてくれている社員をコロナ禍のような突発的要因で辞めさせたくないと決意し、人員削減は全く考えなかった。格好付けるつもりはないが、そこは経営者の我慢、忍耐のしどころだと思う」

 「翌21年も、20年比では回復したが通常年度比では赤字だった。つまびらかにすると、償却前利益は確保したが決算書上では償却費をまかないきれず、営業損失を出した。(減価償却前の)キャッシュフロー上では営業利益は出ていた」

 ――入り込みは。

 「来訪者全体では、隣県の福岡から、大分県内から、その他からがそれぞれ3分の1を占める。まん延防止等重点措置などで福岡からの人流が滞ったのは痛かった。他方、20、21年に大分県内の小中学校が修学旅行で当社施設に多く訪れてくれたのはありがたかった。個人的に『修学旅行で自分の居住エリアの近くを訪れるのはどうなんだろう』と考えていたが、『かつて親と訪れた当社のパークのような施設に友達同士で再訪する楽しみ』を感じてくれた生徒も多かったようだ」

 ――事業別では。

 「20、21年は、パークとホテルの売り上げは厳しかったが、ゴルフは比較的ダメージが少なかった」

 ――今後について。

 「パークは今年3月に大規模改装が完了し、設備投資が終わったので集客の回復を目指す。まだ中間決算段階だが、今期の集客はコロナ禍前水準まで戻りつつある。ホテルは『パークのオフィシャルホテル』という位置付けで、『パークのりものパス付き宿泊プラン』などが廉価で利用でき認知度が高まりつつあることなどから、『パークが戻ればホテルもある程度戻る』と考えている。今年は全国の他のパークも好調なようだ。ゴルフは引き続き好調で、予約も堅調だ」

 「パーク、ホテル、ゴルフの3部門を隣接して複合的に所有、運営できるのが当社の強み。同時に『泊まって遊園地で遊ぶ』『泊まってゴルフ三昧(ざんまい)』のように、宿泊を絡めた誘客がまだ十分できていないのが課題。強みをフル活用してマネタイズしていきたい」

 ――YouTubeなどでは『城島高原パークへ行ってみた』動画が多数アップロードされるなど、入園者の興味・満足度は高い。

 「福岡県の『スペースワールド』や『かしいかえん シルバニアガーデン』が廃園になるなど、九州のパークが姿を消していくのは寂しい。全国各地に独自性を打ち出して健闘しているパークがあるので、うちも頑張りたい」

 ――別府市は観光が主要産業になっている。

 「別府の存続は観光業なしでは語れない。別府は湧出量全国1位を誇る『温泉』を強力なコンテンツの一つとして、観光業者は明るい希望を持ってやって良いと思う。地元と共存共栄の意識で、納税や雇用などで地元に貢献するのが地元に生きる企業の使命だと感じる。けん引者というと恐縮だが、当社施設が別府観光の目玉となり業績を伸ばし、市内だと『地獄めぐり』、周辺だと自然動物公園『アフリカンサファリ」(宇佐市)や水族館『うみたまご』(大分市)などへの送客のアシストができたらうれしい。それに伴い別府市内の飲食店などにいくばくかお金が落ちてくれるはず。当社の発展も大事だが、別府市、大分県全体の発展も大切。引き続き『自分たちの頑張りが地元の活性化につながる』と信じてやっていく」

 ――教育旅行誘致にも注力している。

 「当社ホテルの客室の多くが比較的広く、平日にも多くのお客さまをお迎えしたいと考え、一般的な団体顧客のほか教育旅行誘致にも力を入れている。猪の瀬戸湿原で行われる雑草の野焼きなどは私自身も大変勉強になり、SDGsの中の環境保護に関連する要素が含まれている。宇佐市内の平和資料館での平和学習、先述のアフリカンサファリでの自然学習、地元と連携した農泊等の各素材の魅力を全国の学校に伝えたい」

 ――教育旅行で訪れた生徒は、未来のリピーターにもなり得る。

 「3世代で楽しめる施設を目指している。ある1人が『子供の時も』『親になっても』『祖父母になっても』来てくれたらうれしいし、これは私の夢でもある」

 ――メッセージを。

 「コロナ禍で消極的になりやすいが、頑張っている姿をSNS等で発信すれば必ず誰かが見てくれている。組織のトップが気落ちしてはいけない。苦しい時ほど前を向いていきたい」

 

ごとう・やすお=大分市出身。高崎経済大学卒。82年大分銀行入行。大分カードを経て、16年城島高原オペレーションズ専務取締役就任。18年から現職。

【聞き手・内田誉紀】

 
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