地方自治体間で観光交流の動き、協力して旅行商品も


 東日本大震災の風評被害に苦しむ福島県会津若松市と新潟市、東西を代表する古都の神奈川県鎌倉市と奈良市が7月、それぞれ「観光交流宣言」を締結した。自治体が観光振興を図る施策を推進する際、単独では限界がある場合も多く、自治体同士で協力することによって誘客を図り、双方の経済活性化につなげようとする取り組みは今後も広がりそうだ。

 会津若松市と新潟市は22日、JR会津若松駅で両市長が出席して、観光交流宣言を締結した。

 両市間の交流人口拡大を目指す取り組み。観光分野を重視し、互いに協力して誘客、経済振興を図る狙いがある。具体的には、双方で観光PRを展開するほか、新潟と会津をセットにした旅行コースを作ることなどを検討する。また、激減した新潟市からの教育旅行復活も視野に入れる。

 両市は歴史的につながりが深く、古くは阿賀野川の舟運、現在も磐越道やJR磐越西線で結ばれている。震災時には、新潟経由で支援物資も運ばれた。会津若松市は3月、来年のNHK大河ドラマ「八重の桜」放映決定を機に、京都市とも観光分野での相互交流宣言を締結している。

 一方、奈良市と鎌倉市は21日、奈良国立博物館で両市長が出席し、観光交流宣言と災害時相互応援協定を締結した。

 観光交流宣言では、(1)両市の自然・文化遺産を後世に伝え、活用していく(2)国内外からの誘客促進のための連携(3)行政、観光などさまざまな分野の市民団体の交流──が盛り込まれた。災害時相互応援協定では、食料や飲料水、資機材の提供などに加え、古都という共通の性格を持つことから「文化遺産の被災調査等の支援」が盛り込まれているのが特徴。

 奈良市はすでに世界遺産に登録され、鎌倉市も来年の登録を目指しており、古都として共通点は多い。今回は、双方が持つ豊富な文化遺産を活用して双方への誘客促進を図る狙いがある。また両市は、東日本大震災の教訓から、地勢的に離れた両市が応援協定を結ぶことは効果的と判断した。

 
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