地域伝統芸能活用センター、「特別賞」設け復興後押しへ


 地域伝統芸能活用センター(中村徹会長)は16日、東日本大震災からの復興を後押しするため、2012年度に限り設ける「地域伝統芸能特別賞」に、釜石虎舞保存会連合会(岩手県釜石市)など3団体を選んだと発表した。表彰式は10月27日、高円宮妃殿下をお迎えし、福島県郡山市で開催する地域伝統芸能全国大会で行う。

 震災で大きな被害を受けたにもかかわらず、活動を再開し、被災者に復興への活力を与えている団体・個人も少なくない。特別賞は「そうした団体・個人を表彰することで地域伝統芸能の保存と継承を図り、震災からの復興をさらに推進する力となることを目的とする」と同センター。

 釜石の団体のほか、行山流水戸辺鹿子躍保存会(宮城県南三陸町)、請戸芸能保存会(福島県浪江町)が選ばれた。

 釜石虎舞=写真=は今から830年ほど前、鎮西八郎為朝の三男で陸奥の国を領有していた閉伊頼基が、将士の士気を鼓舞するため虎の着ぐるみをつけて踊らせたと伝えられる。現在は浜町の尾崎神社の御祭神として奉られ、毎年10月の第3日曜に「釜石まつり」が奉納されている。

 震災で屋台山車は倒壊し、衣装や笛、太鼓なども津波で流出したという。しかし、保存会連合会は逆境に負けず、釜石の虎舞フェスティバルや東北各地の被災地での公演を行うなど活動を再開している。

 また、地域伝統芸能の保存、継承および活用に抜きんでた功績を残した団体・個人に授与される「高円宮殿下記念地域伝統芸能賞」は、八槻都々古別神社楽人会・御田植保存会(福島県棚倉町)が受賞した。

 御田植は八都々古別神社の拝殿で、毎年旧暦正月の1月6日に演じられる豊作祈願の芸能で、稲作の過程を模擬的に演じていく。全国的にも珍しく、国の重要無形民俗文化財に指定されている。

 「地域伝統芸能大賞」のうち、「保存継承賞」は小奴可地区芸能保存会(広島県庄原市)、「活用賞」が寺崎はねこ踊り保存会(宮城県石巻市)、「支援賞」は植田倫吉氏(島根県浜田市)に贈られた。

 
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