国際観光施設協会は、旅館・ホテルの生産性向上に向けて、厨房から食事会場までの料理の運搬、洗い場への食器の運搬を無人で行う搬送ロボットを試作し、見本市「国際ホテル・レストラン・ショー」(2月19~22日、東京)で披露した。
試作機は自律移動型ワゴン「IT―ワゴン」。本体を動かす駆動ロボット、ルートの選択や障害物を回避する自律移動ソフトウェア、料理や食器を積む配膳ワゴンの各部で構成される。
特徴は、宿泊施設のフロアに専用のレ―ルや走行を支援する設備を設置する必要がないこと。搭載されたソフトウェアが自動でフロアの地図を認識し、任意の場所まで走行する。自動で障害物を回避したり、迂回(うかい)ルートを選択したりできる。
駆動ロボットと配膳ワゴンは着脱が可能で、配膳ワゴン単体でも使用できる。ワゴンの収納棚は3段で最大約70キロの積載が可能。走行速度は秒速0.3メートル程度。走行に必要な通路幅は1.5メートル以上。
国際観光施設協会の技術委員会が、試作に必要な各技術を持つセック(東京都世田谷区)、フジマック(同港区)、システムクラフト(同立川市)の3社と連携して取り組んだ。旅館・ホテルが導入しやすい価格として1台100~200万円程度を目標に商品化、普及を探っている。
自律移動型ワゴン試作機のデモンストレーション