日本政府観光局(JNTO)はこのほど、08年に日本で開かれた国際会議の状況をまとめた。それによると、開催件数は前年より236件増えて2094件となり、世界的不況にもかかわらず順調に増加した。背景には国内会議への外国人参加者が増え国際会議化したことや「大学が国際学術交流の拠点として国際会議開催支援に積極的だった」(コンベンション誘致部)ことがある。
外国人参加者は1132人増の11万852人。08年の訪日外客835万人のうち、国際会議への参加者は1.3%となっている。総参加者数は16万4085万人増の107万2163人で、1件あたりの平均開催日数は2.51日だった。
開催件数を都市別に見ると、東京が480件ともっとも多く、次いで横浜市(184件)、福岡市(172件)、京都市(171件)の順。上位10都市の順位は07年と変わらない。
一方、会場別に見ると最多件数はパシフィコ横浜の97件で、これに九州大(67件)、京都大(64件)、つくば国際会議場(48件)が続く。上位10会場のうち4会場を大学が占めている。参加者総数では規模の大きさを誇るパシフィコ横浜(約19万9千人)、東京ビッグサイト(約7万6千人)、福岡国際会議場(約5万5千人)、名古屋国際会議場(約5万2千人)などが上位に並ぶ。
会場別件数で集客力の強さを見せている大学。JNTOによると「2094件のうちの約20%が大学内で開催されていることが判明した」。
上位校をみると九大、京大、名古屋大(48件)、北海道大(30件)、神戸大(27件)の順。関東は意外に少なく、東京大が22件で7位にランクインしている。
九大は07年も京大を抑え1位になっており、(1)国際会議に対応できる2つの施設を持っている(2)国際交流に積極的(3)地理的条件からアジアの会議が多い──などが背景にあると見られる。
JNTOがいう国際会議は(1)総参加者数50人以上(2)参加国は日本を含む3カ国以上(3)開催期間は1日以上──。