
(左から順に)木材チップ、パルプ、発酵培養液、「“森空“バイオエタノール」
「森のチカラを空飛ぶチカラに」
日本航空(JAL)、エアバス、日本製紙、住友商事、Green Earth Institute(GEI)の5社は17日、国産木材由来のバイオエタノールを用いた持続可能な航空燃料(SAF)の実現に向けた覚書を締結したと発表した。この取り組みは、航空業界の脱炭素化を目指す国産SAFサプライチェーン構築の一環。
5社の連携は、日本製紙、住友商事、GEIが2023年2月に立ち上げた「森空(もりそら)プロジェクト®」を基盤としている。このプロジェクトは「森のチカラを空飛ぶチカラに」をスローガンに掲げ、木質バイオマスを原料とするバイオエタノールなどの製造販売を目指している。
今回の覚書締結により、JALとエアバスが新たにこのプロジェクトに参画することとなった。これにより、SAFの需給に関わる事業者同士の連携が強化され、国産SAFの普及・拡大が推進されることが期待される。
5社の連携の目的は、原料調達・製造における温室効果ガスの排出を抑え、低LCA(Life Cycle Assessment)となる、CORSIA(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)に適合した国産木材由来バイオエタノールの製造販売である。この取り組みを通じて、「伐って、使って、植えて、育てる」という森林循環の促進、地域での雇用創出、そして循環型低炭素社会の実現を目指している。
JALは、2030年までに全搭載燃料の10%をSAFに置き換える目標を掲げており、今回の連携においてはSAF原料の供給元から製造に関わるステークホルダーをつなぎ、サプライチェーンの構築を推進する役割を担う。一方、エアバスは国産木材を原料としたSAFのCORSIA認証取得を支援し、航空業界が掲げる2050年までのCO2排出量ネットゼロの実現に貢献する。
(左から順に)木材チップ、パルプ、発酵培養液、「“森空“バイオエタノール」