
政府が2日に公表した2009年度版観光白書で、08年度の日本人1人当たりの国内宿泊観光旅行は、年間1.55回、宿泊日数2.44泊(ともに暫定値)にとどまったことが分かった。旅行回数、宿泊日数ともに前年度からはほぼ横ばいの数値だが、05年度以降、減少傾向にあり、宿泊を伴う観光旅行は低迷が続いている。
旅行回数、宿泊日数の数値は、国の承認統計「旅行・観光消費動向調査」の結果に基づく。全国の20歳から79歳までの国民から無作為に抽出した1万5千人を対象にした調査から推計した。宿泊観光旅行には、出張や業務旅行、帰省などは含まれていない。
日本人の国内観光旅行の宿泊日数には、観光立国推進基本計画に2010年度までに4泊に増やすという目標を掲げているが、08年度の数値は目標を1.56泊も下回っている。
現在の統計手法を採用した03年度以降の推移をみると、宿泊日数は05年度の2.89泊が最も高く、以降は下降線をたどっている。旅行回数も05年度の1.77回以降、減少傾向にある。08年度の数値を07年度と比べた場合、宿泊日数で15.6%、旅行回数で12.4%の減少率となる。
08年度の数値は、07年度の旅行回数1.50回、宿泊日数2.42泊からともに微増ではあるが、暫定値として発表されており、「確定値は、暫定値より低く出る傾向がある」(観光庁)ことから、回数、宿泊日数ともに3年連続の減少となる可能性がある。
観光庁は白書の中で、近年の国内宿泊観光旅行の低迷について要因を分析。若年層、家族層、団塊世代の動向を調査した結果、旅行回数の減少には、所得の減少、同行者との休暇の不一致などが大きく影響していることが分かった。
