
観光庁が6月30日に発表した2020年4月の宿泊施設の延べ宿泊者数(第2次速報値)は、新型コロナウイルスの流行によって全国で971万人泊にとどまり、前年同月の実績に比べて80.9%の減少となった。07年の統計開始以降で過去最低。客室稼働率(同)も前年同月比48.7ポイント減の16.3%だった。5月は第1次速報の集計段階だが、前年同月比は4月とほぼ同様の減少率で、4、5月にわたって宿泊需要は大幅に落ち込んだ。
新型コロナの流行を踏まえ、政府は4月7日に7都府県を対象に緊急事態宣言を出し、4月16日に全国に拡大した。緊急事態宣言が全国で解除されたのは5月25日。ゴールデンウイークを含む4~5月は、外出の自粛などが要請され、宿泊施設も臨時休業を余儀なくされたところが多かった。
月別の延べ宿泊者数は、国内で初めて感染者が確認された1月は前年同月比1.1%増の4316万人泊だったが、国内外での流行の拡大に伴って2月が同14.0%減の3744万人泊、3月が同53.2%減の2394万人泊となり、4、5月に大きく落ち込んだ。
4月の延べ宿泊者数の内訳は、日本人が前年同月比75.9%減の950万人泊、外国人が同98.2%減の同20万人泊。都道府県別に延べ宿泊者数全体を見ると、前年同月比の減少率の上位は、(1)京都府92.4%減(2)沖縄県88.4%減(3)山梨県87.9%減(4)大阪府86.9%減(5)石川県85.9%減(6)東京都、奈良県(同率)85.4%減(8)岐阜県85.0%減(9)福岡県84.4%減(10)長野県83.2%減。
4月の客室稼働率を施設のタイプ別に見ると、ビジネスホテルが前年同月比54.5ポイント減の24.7%、シティホテルが同71.1ポイント減の11.9%、旅館が同32.6ポイント減の7.1%、リゾートホテルが同51.9ポイント減の5.9%。
集計途中の第1次速報値では、5月の延べ宿泊者数は前年同月比84.8%減の781万人泊、客室稼働率は同50.4ポイントの12.8%となった。