JTBは5日、夏休み(7月15日~8月31日)の宿泊旅行の動向見通しを発表した。景気の先行きの不透明感などの影響から国内旅行は人数で昨年並み(前年比で増減なし)の7460万人、一人あたりの旅行平均費用で前年比1.2%減の3万4千円と推計した。
同社のアンケート調査で今後の旅行支出に対する意向を聞いたところ、支出を「増やしたい」が3.8ポイント減の14.4%、「減らしたい」が3.3ポイント増の27.5%、「同程度」が1.5ポイント増の54.6%となった。「旅行支出に関しては慎重な様子がうかがえる」(JTB)。
国内旅行の形態を見ると同行者は「家族づれ」が1.6ポイント減の68.9%と最も多く、「友人・知人」が2.7ポイント増の14.0%で続く。家族づれの内訳では「子供づれ(中学生まで)」が1.5ポイント増の36.9%、「三世代」が1.9ポイント増の10.2%と増加したが、「夫婦のみ」が5.6ポイント減の11.0%と減少した。
旅行の目的は「帰省、離れて住む家族と過ごす」が1.4ポイント増の22.4%、「海辺で保養、海水浴」が1.8ポイント増の7.6%、「ハイキング・登山・キャンプなど」が1.6ポイント増の5.2%とそれぞれ増加している。
宿泊施設は「ホテル」が1.6ポイント減の44.8%、「旅館」が1.9ポイント減の23.5%と減少。「民宿・ペンション」が0.4ポイント増の12.8%、キャンプ場やロッジなどの「その他」が1.9ポイント増の4.9%と増加した。
「今夏は、帰省を兼ねた子供づれの旅行が多そう。旅館やホテルの利用が減少し、テーマパーク・レジャー施設も前年から減少していることから、旅行はするが節約したいという気持ちが表れている」とJTB。
旅行先では北陸が1.7ポイント増の5.8%、沖縄が1.6ポイント増の4.7%、東北が1.4ポイント増の11.0%と増加している。
出発日ピークは、8月11~15日となっている。
海外旅行人数は、4.1%増の283万人、一人あたりの旅行平均費用は0.7%減の21万4500円。出発日のピークは8月11、12日。アジア方面は韓国、中国、台湾などの近場が人気、ヨーロッパ方面は東欧諸国やフランスが好調という。