国交省、インフラ観光を拡大 懇談会設置

  • 2018年12月5日

有識者懇談会の会合

 地下神殿を思わせる空間が人気の首都圏外郭放水路(埼玉県)をはじめ、生活や経済活動を支える公的施設などを訪れるインフラツーリズムが近年注目を集めている。国土交通省総合政策局はこのほど、ダム、河川、橋などのインフラを地域固有の観光資源として積極的に活用するため、取り組みの在り方を検討する有識者懇談会の初会合を開いた。

 魅力あるインフラ施設の公開、開放を通じた観光振興は、政府の中長期構想「明日の日本を支える観光ビジョン」にも盛り込まれ、国交省もポータルサイトを開設し、インフラ施設の見学会やツアーなどを紹介している。

 見学会などが人気を集めるインフラ施設が出てきた半面、多くの施設は観光資源として十分には活用されていない。旅行商品化などを含めて地域に経済効果が波及するようなインフラツーリズムに育てるには、情報発信、インバウンドを含む受け入れ態勢、地域との連携などが課題。施設管理者の側にも、対応要員の確保、参加者の安全確保、受け入れ環境の整備などの課題がある。

 有識者懇談会は、座長に就任した首都大学東京大学院都市環境科学研究科教授の清水哲夫氏を含む4人を委員に、今後の取り組みの方向性を議論し、今年度末までに提言をまとめる。国交省では提言を踏まえ、施設管理者に活用してもらうインフラツーリズムの手引も作成する予定だ。

 国交省が今年7月に実施した都市住民千人を対象にしたウェブアンケートの結果では、インフラツーリズムという言葉を「知らない」と回答した割合は84%。ただ、インフラ施設の見学意向では、「見学したい」が72%に上った。

 国交省がポータルサイトなどで2017年度に取り上げたインフラ施設数は約400施設で、これらの施設の見学会やイベントなどへの参加者数は年間約160万人とみられる。このうち観光資源としてすでに定着している灯台観光、湾内クルーズの参加者を差し引いた約50万人を現状値と位置付け、国交省では20年度には約100万人に増やしたい考えだ。
 有識者懇談会の座長以外の委員は次の通り(敬称略)。

 阿部貴弘(日本大学理工学部教授)、河野まゆ子(JTB総合研究所主席研究員)、篠原靖(跡見学園女子大学観光コミュニティ学部准教授)


有識者懇談会の会合

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