東京都旅行業協会(村山吉三郎支部長・会長=飛鳥旅行)は1月23日、新春賀詞交歓会を東京都台東区の浅草ビューホテルで開いた。3年ぶりの開催となり、271人が参加。村山会長は「われわれの得意分野である団体旅行、インバウンド、ITの活用を促進していく」と今後の方向性を示した。
会場の様子
村山会長は冒頭、団体旅行の需要回復が苦戦している現状や東京都が貸し切りバスに対する助成金制度を設立したことを報告。今後に向けては、「コロナ禍が依然続くが、一方で全国旅行支援が始まり、観光バスの車内での飲食や、ガイドが対面で会話できるようになった。得意である団体旅行の再開に向けて、受け入れ準備は整ったと言える。今年の干支(えと)であるウサギのように大きくジャンプし、飛躍する1年にしたい」と話した。今後に向けては、デジタルパンフレットの作成など、国内外からの集客に向けたIT化の必要性を説き、「東京都から作成費用の支援を交渉していく」と述べた。
村山会長
来賓からは、小池百合子東京都知事らが登壇。小池知事は「コロナが始まり丸3年となるが、インバウンドがようやく戻り始めた。世界からは日本が訪れたい旅行先でトップに選ばれている。今こそ観光の出番であり、旅行業界が経済のけん引役となってほしい」と期待を述べた。観光庁の高橋泰史参事官は「全国旅行支援で国内旅行需要は活性化し、インバウンドは水際の緩和で個人旅行から需要が増え始めている。(1)国内交流の拡大(2)インバウンドの拡大(3)高付加価値による観光地域づくり―の三つを軸に施策を展開していく」と国の方針を示した。
小池都知事
全国旅行業協会(ANTA)の近藤幸二副会長は「団体旅行の回復は遅れているが、コロナ前に着実に近付きつつある。顧客を大事にすると共に、新しい知恵を出しながら共に頑張ろう」と結束を求めた。東京都旅行業協会協定会員連盟の児島博司会長は「電気料金の値上げ、賃上げなど経営環境を圧迫する要素が増えている。だが、この逆風をエネルギーに変えて新しい展開へと変えていかなければならない」と呼び掛けた。
このほか、徳島県、群馬県観光魅力創出課、和歌山県観光連盟、仙台観光国際協会、東京諸島観光連盟などによる観光PRが行われた。