
協定書に調印した(写真左から)仁坂知事、三菱地所の吉田淳一執行役社長、井澗町長
和歌山県、白浜町(同県)、三菱地所は8日、和歌山県におけるワーケーションの推進を目的とした進出協定書の調印式、事業説明会を東京都内で実施した。
ワーケーションは「ワーク」「バケーション」を組み合わせた造語で、リモートワークを活用し、リゾート地などの環境で、休暇や研修を兼ね、短中期的に滞在して仕事を行う取り組みを指す。
三菱地所は今回の協定を受けて、白浜町所有の白浜町第2ITビジネスオフィスを使用し、テナント企業向けのワーケーションオフィスを運営する。同施設は、南紀白浜空港から車で約3分、南紀白浜ICから車で約10分の好立地だ。
和歌山県の仁坂吉伸知事は「和歌山県には南紀白浜空港があり、東京とのアクセスが良好。自然豊かなリゾート地である白浜町は、ワーケーションの適地だ。白浜町でワーケーションが普及し、サテライトオフィスの設置が一層進むことを期待している」と述べた。
白浜町の井澗誠町長は「ワーケーションの推進は国が進める地方創生や働き方改革への大きな流れであり、重要な施策の一つ。今回の進出がきっかけとなり、多くの事業が生まれ、地域が活性化することを願っている。町としても、和歌山県や事業者と連携しながら、ワーケーションの推進に積極的に取り組んでいきたい」と力を込めた。
和歌山県の観光客動態調査によると、2017年の観光入込客数は年間約3500万人。白浜町を含む紀伊半島には世界遺産(高野山、熊野古道)などの観光資源がある。ロンリープラネット社発行「ベスト イン トラベル2018」の地域部門では、紀伊半島が世界第5位になるなど注目が集まっている。
白浜町は、空港、オフィス、ホテル、繁華街、ビーチ、観光スポットがコンパクトに集積しており、南紀白浜空港は羽田空港から1時間10分でアクセスが可能。また、19年には南紀白浜空港の民営化が予定され、運用の活性化が期待されている。
【小林大樹】
協定書に調印した(写真左から)仁坂知事、三菱地所の吉田淳一執行役社長、井澗町長