
東京都内で開かれたセミナー
和歌山県は6日、首都圏の旅行会社や学校を対象とした修学旅行セミナーを東京都内の会議室で開いた。自然や文化、産業などを生かした350種の体験プログラムや民泊を「ほんまもん体験」として打ち出し、体験型の修学旅行の魅力をPR。和歌山県内で修学旅行を実施した東京、横浜の中学校、高校の担当教諭に学習効果などを発表してもらい、首都圏からの訪問を呼びかけた。
同県の榎本善行観光局長は「和歌山県は体験型の観光、体験型の修学旅行に全国に先駆けて取り組んできた。首都圏の学校の受け入れはまだ少ないが、民泊などを含め、京都、奈良とは違った和歌山の良さを感じてもらいたい」とあいさつした。
研修旅行などを含む修学旅行の受け入れ実績は、2005年度には6校だったが、年々増加し、13年度には49校に上った。首都圏からの受け入れは、13年度の実績のうち、高校7校、中学1校にとどまり、誘致の拡大を課題としている。
修学旅行の事例発表を務めたのは、昨年9月に2泊3日で日高川町、印南町で修学旅行を実施した東京都足立区立谷中中学校。3年生約110人が参加した。前年度までは伝統文化の学習を目的に京都・奈良方面で実施してきたが、今年度は農村生活体験を目的に和歌山県内で実施した。
生徒たちは2町に分かれて農家に民泊し、農作業や農産物の加工などを体験した。修学旅行の成果について同中学校の郷原眞子教諭は「民泊の家庭に家族として受け入れられたことが生徒たちの心に残ったようだ」と述べたほか、サルやイノシシの農産物への獣害を目の当たりにした生徒もおり、「食物を得る大変さなどを学ぶことができた」と振り返った。
高校では、神奈川県立横浜緑園総合高校が事例発表。修学旅行の行き先は2方面からの選択制だが、2年生の半数に当たる約130人が昨年10月、3泊4日で和歌山県を訪れた。民泊を含めて農林水産業やカヌーなどのアウトドアスポーツをみなべ・日置川地区で体験した。
同高校の森村友一教諭は「行き先は沖縄との選択制だが、半数が和歌山を選ぶ。旅行前には民泊が嫌だと言う声が多いが、体験中にはいきいきとした表情が見られ、終わってみれば、民泊で良かったと言う生徒がほとんどだった」と話していた。
セミナーでは、和歌山県内各地の受け入れ団体による体験プログラムの紹介なども行われた。旅行会社の教育旅行担当者との個別の商談も行われた。

東京都内で開かれたセミナー